日本代表FW相馬勇紀が1年半のポルトガル挑戦で感じた日本との違い「海外へ行こうと思っている人たちにはめちゃくちゃ聞いてもらいたい」 | 内田篤人のFOOTBALL TIME
【国内サッカー・ニュース】DAZNで配信している『内田篤人のFOOTBALL TIME #189』では、日本代表のFW相馬勇紀がゲストとして登場。ポルトガルでの2シーズン目を終えたドリブラーがどのように海外でのプレーに適応していったのかを語った。 ●【動画】今夏移籍|佐野海舟(鹿島アントラーズ→1.FSVマインツ05)プレー集
現在27歳の相馬は、早稲田大から名古屋グランパスに加入し、プロキャリアをスタート。プロ1年目のシーズン途中にMCを務める内田篤人氏との出会いにもなった鹿島アントラーズに半年間期限付き移籍。その後は名古屋に復帰し、3シーズン続けてJ1で30試合以上に出場する主力として活躍した。 2021年には東京五輪に出場し、2022年にはカタールW杯の日本代表メンバーに選ばれ、順調にキャリアをステップアップさせていた中、2023年1月に名古屋から期限付き移籍でポルトガルのカーザ・ピアACに加入。初の海外移籍を決断した。 プリメイラ・リーガ(ポルトガルリーグ)のオリジナルクラブの一つであるカーザ・ピアは、初年度に最下位で2部に降格。それ以降、2021-22シーズンに1部昇格を果たすまで83年間下部リーグに低迷し続けていた。 決して規模が大きいとは言えないクラブへの移籍を決断した相馬がまず直面したのは、日本との環境の違いだ。「(事前に)ネットで調べても情報が手に入らなかった」ことを明かした上で、「2部の時に使っていた小さめのスタジアムがあって、スタジアムの更衣室がロッカールームだった。スタジアムの横に建物があったので、そこがロッカールームだと思っていたら、ここだよと言われて、『あっ、ここなんだ…』」と環境面の違いに衝撃を受けたと言う。 一方でプレー面では、日本人選手との守備対応の違いについて言及し、「(海外の選手は、)遅らせるというのがない。カウンターで数的不利で絶対に突っ込むなよという場面でもスライディングでいったりとか、寄せてくる距離と足を伸ばしてくる感じが違う」と日本との違いについて語った。 サイドを切り裂くドリブルが武器の相馬は、「最初はやったことが無さすぎて自分の感覚でいけていたけど、(加入して)2ヶ月後くらいにうまくドリブルで抜けなくなる時期はあった」と当時を振り返る。 ただそういったプレー感覚の違いも時間と共に慣れ始めて「加入して半年くらい経った時に自分では気づいていないけど、判断スピードは上がったような気はするし、最後の方はストレスなくやれていた」と適応していった。 移籍当初は、「左の同じポジションにアフリカ人の選手がいて、(クラブが)彼を絶対に売りたいということで絶対だった」という理由で最初は本職ではない右サイドでのプレーが続いたが、その状況を変えるために相馬は行動を起こした。 「途中で監督に言いに行きました。左をやりたいと。ただ監督からは『どちらのサイドでも素晴らしいプレーをしているように見える』と言われた。日本では(監督に直接言いにいくことは)ほぼなかったけど、言わないと終わっちゃうと思った」。 そこにも日本監督と外国人監督の受け取り方の違いがあったようだ。「むこうの監督は言ってもそんなに深刻に受け止めないというか、会話するのは普通という感じで取ってくれたことは良かった」。すると、内田氏は「海外へ行こうと思っている人たちにはめちゃくちゃ聞いてもらいたいですね」と思いを明かした上で、「こうやってタフになって、環境に慣れていくんですよ。懐かしいな」と感慨深い様子で相馬の言葉に耳を傾けた。 約1年半にわたってプレーしたカーザ・ピアACを退団することを発表し、去就が不透明な状況の相馬だが、今後、海外での経験を経て成長した姿をどんな形で見せてくれるのか楽しみだ。