世界最高峰の心臓外科医が留学後に受けた「屈辱」、「白い巨塔」にはびこっていた“排除の力”とは
■8年間揺るがなかった断固たる「決意」 嫌なことや理不尽に感じることからは「逃げる」という選択肢をとってもいいと思います。体も怪我をしたら手当てをし、リハビリを行って復帰していくように、心も傷を負ったら同じことをすべきでしょう。 ですが、もっとも大切にしていること、たとえば自分の想いや夢を汚されたときだけは、向き合い、立ち向かってください。 とくに、あなたが心のなかで育ててきた想いを、誰かが自分の利益だけを考えて放った発言によって破壊することは、許されないのです。
「必ず旧態依然とした医療のやり方を変えてやる。患者さんたちのためにも」 あのときの決意は結局、8年間、揺るぎませんでした。それがあったからこそ、心臓外科手術に真摯に対峙してこられたのだとも思います。 受けた屈辱は、成長しようとするあなたの心のエサになります。時間をかけても構いません。屈辱と向き合い、多くを吸収し、心をより大きく成長させましょう。
渡邊 剛 :心臓外科医、ニューハート・ワタナベ国際病院総長