シタデル・セキュリティーズ、ゴールドマン模倣した対顧客グループ創設
(ブルームバーグ): 億万長者のケン・グリフィン氏が設立したマーケットメーカーのシタデル・セキュリティーズは、セールス業務の構造改革を進めている。ゴールドマン・サックス・グループや他のウォール街の大手企業を模倣し、顧客向けに提供する株式や債券関連の商品をそろえる。
ブルームバーグが入手した従業員宛て文書によると、同社は新たに「戦略的顧客対応グループ(SCCG=Strategic Client Coverage Group)」を設立した。
ゴールドマン出身で債券およびクロスアセットディストリビューション部門グローバル責任者のアブ・バブサー氏がSCCGを率いる。同グループは「まとまりのある」分析と商品提供を行うという。
エスポジート社長は19日付文書で「これらの組織変更によって、機会を生かすとともに、アイデアの創出から取引の執行、決済に至るまで、顧客の取引の全過程においてより良いサービスを提供できるようになる」と説明している。同社の担当者が文書の内容を確認した。
シタデル・セキュリティーズはゴールドマンやJPモルガン・チェースなどウォール街の銀行と競争しながら事業を拡大している。
バブサー氏と同様に、エスポジート氏もゴールドマン出身。今年入社し、ゴールドマンでバンキング・マーケッツ共同責任者を務めた経験をシタデル・セキュリティーズにもたらした。
ゴールドマンには「ワン・ゴールドマン・サックス」と呼ばれるSCCGと類似した対顧客グループがある。同グループは事業内の連携を強化し、顧客により効率的なサービスを提供するために設置された。
文書によると、シタデル・セキュリティーズはまた、欧州・中東・アフリカ(EMEA)における債券セールス部門のトップとしてノーシャッド・シャー氏を採用した。同氏もゴールドマンでの勤務経験があり、EMEA金利セールス部門を率いていた。
同氏の採用は、金利ビジネスを拡大するとともに欧州全域での事業拡大を目指すシタデル・セキュリティーズの意欲を示すものだ。