【全国高校ラグビー】「盛岡工」対「飯田」は大熱戦!壮絶な攻防の末に“劇的な幕切れ” 「近大和歌山」はうれしい花園初勝利
全国高校ラグビー大会2日目。12月28日は1回戦の残り10試合が行われました。 【全国高校ラグビー】これまでの試合の詳細や動画はコチラ
<近大和歌山vs坂出第一>花園初勝利を目指す高校同士の対決
第2グラウンドの第1試合では、6回目の出場で花園初勝利を目指す近大和歌山(和歌山)が、こちらも5回目の出場で全国大会での初の1勝を狙う坂出第一(香川)と対戦しました。 勝てば、どちらのチームにとっても記念すべき花園での初めての勝ち星になる注目の対決。前半は近大和歌山がペースを握ります。前半9分、スクラムからの素早い展開で1年生のWTB伊藤吏雄選手が左隅に飛び込むと、17分にもBK陣の巧みなパスワークから伊藤選手が狭いサイドを走り切ってトライ。SO森悠真選手が、ともに難しい角度のゴールを決めて14対0とリードを奪います。父の真一さんがこの花園ラグビー場を本拠地とする近鉄(現・花園近鉄ライナーズ)で活躍していたという伊藤選手。初勝利を目指すチームに勢いをもたらしました。 BK陣の活躍で主導権を手にした近大和歌山。20分すぎからはFW陣が奮起します。21分に敵陣ゴール前5mのラインアウトからモールを一気に押し込んで追加点となるトライを奪うと、24分には鮮やかなサインプレーからNO8高尾瑛光選手が縦への力強い突破をみせてトライ。24対0とリードをひろげて前半を折り返します。 一方の坂出第一も後半に入ると反撃。部員17人、マネジャーを含めて21人という環境の中でも一人一人がしっかりとフィジカルを強化してきたというFW陣が、愚直に体をあててじわりじわりと前進。フェイズを重ねながら近大和歌山のゴールラインに迫ります。しかし、あと一歩のところで近大和歌山のしつこいディフェンスを突破できず、なかなか得点に結びつけることができません。それでも後半19分、FW陣が奮起して敵陣で相手ラインアウトからボールを奪うと、ボールを受けたCTB中田雅也選手が絶妙のコース取りで20m以上を走り切って中央にトライ。ついに近大和歌山の固い扉をこじ開けます。 しかし、反撃もここまで。試合終了間際の29分に高尾選手が自陣から次々とディフェンスをかわしてダメ押しのトライをうばった近大和歌山が、29対7で坂出第一を下してうれしい花園初勝利を飾りました。初出場から11年、6度目の出場でついに悲願を成し遂げた近大和歌山・田中大仁監督は「長かった。(生徒たちが)今まで止まっていたものを動かしてくれた」と感激に浸っていました。