NPBファームでも躍動する、独立リーグで3年連続無双した「流浪の右腕」
「推定飛距離135mくらいじゃないですか。めちゃくちゃ飛ばされました。その日は自分の最大の武器のカーブがまったく決まらない。かといってストレートも走っていない。1死3塁カウント3-1で、『これを信じて投げるしかない』と思った真ん中にいったフォークを完璧に捉えられました。中日の岡林(勇希)選手や石川(昂弥)選手など1軍の主力選手を抑えたこともありますが、それよりもホームランを打たれたことのほうがよっぽど印象に残りますね」 状態の良いときに通用するのは当たり前。しかし、状態が良くないときでも結果を出せるように修正できなければNPBでは通用しないことを実感した。取材前日の福岡(筑後)でのソフトバンク戦は雨天のため中止になったが、平間はブルペンで80球投げ込みをして自分自身と向き合い、状態が悪いときの修正法を掴んだという。 ■「先発で投げられることを証明したい」 「給料の面では、独立リーグ時代とあまり変わらないかもしれません。でも野球に取り組む環境は断然良いと思います。朝、練習場に来れば当たり前のようにグラウンドが整備されていますし、昼飯も球団で用意してくれます。それにプロテインまで支給されます。 独立リーグ時代は、例えば徳島まで遠征に行って試合が夜9時に終わると、高知の自宅に戻るまで3時間かかります。深夜0時過ぎに部屋に戻り、夕食を食べて洗濯をして就寝は午前2時か3時。次の日がデーゲームだと朝6時に起きないと間に合いませんでした。今は洗濯も、遠征時はチームスタッフの方に全部やっていただけるので非常に助かっています。 赤堀(元之)監督はじめ一流の指導者の方が何にこだわっているのかと言えば、押し付けではなく取り組みやすい環境を整えること。もちろん選手自身の向上心が高いからこそですが、指導者の方が上手に自分たち選手が頑張れるような環境を作ってくださっているので、チーム全体が上を目指す集団に成長しているように思います」