西武が5位転落も新外国人のダーモディが5回無失点…196センチ左腕は救世主になれるのか?
この時点で球数は「89」だったが、西武ベンチは2番手・宮川哲への交代を決めた。辻発彦監督は「最初にしてはよく投げてくれた」と新戦力の初登板を振り返った。 「イースタンの試合で見たときよりちょっとスピードも出ていないし、もうひとつ腕の振りもよくなかった気がするけれども、どうにか5回まで踏ん張ってくれたからね」 ブルージェイズとカブスでプレーしたMLBでは、登板した29試合すべてがリリーフだった。ただ、先発陣の左腕不足に長年悩まされてきた西武は、先発の期待を込めてこのオフに年俸6000万円(推定)の1年契約でダーモディを獲得した。 しかし、キャンプはおろか、3月26日のペナントレース開幕にも間に合わなかった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、すべての外国人の新規入国が停止されていた関係で来日は4月2日までずれ込み、さらに2週間の隔離期間が課された。 合流後は急ピッチでコンディションを作り上げ、4月21日のイースタンリーグ巨人戦で3番手として3イニングを、同27日の横浜DeNA戦で先発として6イニングを投げてオリックス戦に間に合わせた。87球を投げた横浜DeNA戦から中5日だった登板間隔も、5回89球で交代させた理由のひとつだったはずだ。 左腕ダーモディの予告先発を受けて、オリックスは打線に7人の右打者を並べてきた。許した5本のヒットのうち4本を右打者に打たれた点を含めて、辻監督は「まだまだいいところは出ていないと思いますよ」とあえて注文をつけている。 「やっぱり制球だよね。もうちょっと右バッターのインコースに強い球を投げられるピッチャーだと思うけど、もうひとつアウトコースの高目に浮いたりしていたので」 指揮官の口調が厳しくなったのも、ダーモディにかける期待の裏返しと言っていい。今シーズンの開幕ローテーションには2年目の左腕、浜屋将太が入っていた。しかし、4試合で1勝3敗、防御率7.02と精彩を欠き、4月18日に登録を抹消された。 先発左腕がいなくなっただけではない。右腕でも松本航がすでに中継ぎに配置転換され、代わりに先発のチャンスを得た4年目の伊藤翔も4月29日のロッテ戦で、1回ともたずに4失点でノックアウト。3日のオリックス戦から再びブルペンに回っている。