帝王・今江克隆が若いバスプロに物申す!「サポートメーカーへの逆効果」「バスプロの存在意義」とは?
言わずと知れたバス釣りのプロアングラー・今江克隆さん。長年トーナメンターとして活躍してきたからこそわかる、バス釣り業界の懸念点を赤裸々に告白する。今後のバスプロのあるべき姿とは…? 【写真 6枚】「今江克隆が若いバスプロに物申す!」写真ギャラリー
選手をサポートし,大会に協賛する意味
近年、JBトップ50トーナメントで協会サイドも問題視していることがある。 今江「トップ50戦でルアーメーカーにサポートされている選手が、サポートされていないルアーで釣ってくる。それを表彰台で堂々と言う選手が多い。必死で選手をサポートしているメーカーからすれば、今や選手をサポートしたり、大会に協賛する意味がなくなりつつあることを示している。これはバストーナメントにおいて実に深刻な問題なんだ」 選手の立場としては、スポンサードルアーだけではこの厳しい環境のトーナメントを勝ち抜けない現実があるのかもしれない。また、バス人気が下降している現在、スポンサードメーカー以外にも釣れるルアーを公にしてバス釣り人気を盛り上げたいという希望があるのかもしれない。それともスポンサードルアー以外を使うことが、ルアーをよく知っている、ルアーのことをわかっている、と逆説的に知らしめるための今どき流行りのスタイルなのかもしれない。 今江「トップ50クラスの表彰式での発言は、拡散力があるから問題は深刻だ。逆に言えば、それだけプロモーションの場になるのも事実。その証拠に今年BMCで大きなライブ配信を2回やったが、そこで活躍した河野正彦がルアー販売に大きく貢献した。オールスターワイルドカードでは3位に入ったが、河野自身が開発したヴィラル1本で押し通しての3位はスポンサー的には何にも代えがたい価値があったのは確か。ちゃんとスポンサードされているルアーで釣れば、トーナメントは未だに絶大なプロモーション効果があるのは間違いない。しかしそれだけ逆効果になる可能性があるのもまた真なりなんだ」
サポートメーカーへの逆効果
最近はライブ配信だけでなく、自分でゴープロを付けてSNSで発信したり、オブザーバーやプレスが同船するケースも多いため、スポンサー外のルアーを使っていると隠しようがない。 今江「例えば最近若手だけが出場するトーナメントのライブ配信があったが、そこでサポート選手が自社ルアーを一切投げずに配信されていたら、それってメーカーへの逆効果以外のなにものでもない。経営者がそのライブ配信を見ていたらどう考えるのか。自社ルアーをプロモーションしてほしいからプロ契約をしているのであって、それを堂々と無視する選手が多くなっている現状は、メーカーとサポート選手という枠組みを根本から変えてしまうほどの問題をはらんでいる」 今江「しかし、それだけ今のフィールドの現状は、1社に限定されたルアーだけで釣るのが難しいのかもしれない。だがそうなれば、メーカーが選手をサポートしたり、大会に協賛する意味を失ってしまう。この現実を放っておくと、次に起こってくるのがスポンサーの大会離れ、選手離れなんだ」