帝王・今江克隆が若いバスプロに物申す!「サポートメーカーへの逆効果」「バスプロの存在意義」とは?
トーナメントの未来には不可欠なライブ配信だが
今年、今江はBMCトーナメントのライブ配信解説者を2度務めた。それは単なる解説者として乗り込んだわけではなく、ライブ配信に掛かるコストや必要な人員、機材、段取りなどを内部から知るためでもあった。 今江「日本のバストーナメントを長く続かせるには、ライブ配信は必要不可欠で、ファン獲得にも、メーカーの宣材としても格好のプラットフォームになる。トップ50シリーズが今後も日本最高峰のトップトーナメントとしての立場を確立し続けるには、間違いなくライブ配信の力が必要になる。そのための方法論はあらかた学んだ。だがそこで問題になるのが、先程から何度も言っているスポンサードルアー問題なんだ」 バストーナメントは選手のエントリーフィーで運営費の一部は賄えるとしても、賞金を出すにはメーカーからの協賛金は不可欠だ。メーカーは慈善事業で何百万円もの協賛金を出すわけではない。直接的なり間接的なり、自社へのメリットを考慮するがゆえに多額の協賛を行うのだ。それは今後、ライブ配信に係る協賛金集め(いわばCMスポンサー)にも大きく関わってくる。 今江「プロってなんなんですか? という根本問題を問われている。バスプロの存在意義は、プロ契約ってなんですか、と。日本の場合はアメリカほど賞金が高額ではないから、選手は契約金や発案ルアーのロイヤリティがメインの収入になっている。賞金なんてないに等しいので、プロ選手はスポンサーに頼っているのが日本の現状なんだ。メーカーの立場から言わせてもらうと、選手個人に支払う契約金以外にも、トーナメントに出る選手にはひとりあたりの協賛費を支払っており、選手が多くなればその額も増えていく。選手はメーカーの支援あって大会に出られているのが日本のトーナメントの現状なんだ。 だから自分を含め黎明期からのプロ達は、トーナメントを続けるため自分で自分をサポートするためのメーカーを自ら興すプロが多かったんだ」 ライブ配信はそのままリアルであるからこそウケる。しかしそのリアルさがメーカーにとっては打撃になる可能性があり、メーカー(スポンサー)側からトーナメント離れにつながる可能性がある。 今江「すべてのルアーを自社製品だけにしろとまでは言わない。類似品がないオンリーワンルアーが釣れているのであれば、それを使わざるを得ない状況もあるだろう。しかし3尾中1尾ぐらいはせめて自社ルアーで釣ってよね、というのが経営者としての偽らざる気持ちなんだ」