エージェントはAI革命の「第3の波」--生成AIとの違い、導入と運用の課題を押さえる
また、エージェント型AIと既存システムの統合は、生成AIの場合とは異なる。「エージェント型AIの意思決定機能を活用するには、多くの場合、既存のシステムを変更して、既存のAPIと統合し、確立されたビジネスロジックを利用して、意思決定の精度を向上させる必要がある」とBrault氏。 生成AIからエージェント型AIへの移行に備えるためには、「小さな規模から始めて、戦略的に拡大していくべきだ」と同氏は助言する。「顧客サービスなど、影響の大きいユースケースをいくつか特定して、パイロットプログラムを実施し、エージェント機能をテストして改良する。これらのユースケースと並行して、エージェント型AIをサポートする新しいプラットフォームやソフトウェアコンポーネントへの理解を深めよう」 これには、テクノロジーの先に目を向けて、ユーザージャーニーや関連するワークフローに重点を置くことも含まれる、とIyer氏は主張した。「取り組みをテクノロジーだけに限定するのではなく、エージェントが変革するワークフローについて総合的に考える必要がある。退屈なタスクを減らして、生産性を向上させ、人間と機械の共同作業を改善することを目指そう」 「課題は、エージェント型AIを企業環境やイノベーション主導の業界(材料科学の研究開発や製薬など)に適用することだ。このような環境は不確実性とリスクが高い」とConnell氏。「こうした複雑な環境で信頼できる確実な決定を下すためには、エージェントが非常に詳細な部分を理解できなければならない」 分析AIや生成AIと同様に、データ、特にリアルタイムデータが、エージェント型AIの成功の鍵を握る。「エージェント型AIの使い方、エージェントの原動力となるデータ、テスト用のシステムについての理解」が重要だ、とConnell氏は語る。「AIエージェントを構築するには、クリーンなデータが必要だ。アプリケーションによっては、問題領域を正確に表すラベル付きデータも必要になる。また、モデルの訓練や検証のために十分な量のデータを用意しなければならない」 Connell氏はさらに、エージェントへの依存度が高まると、「特に従来の監督モデルでは不十分なハイリスクの分野において、新しい監督フレームワークが必要になるだろう」と述べた。これは、人間による監督が常に必要になるということだ。何といっても、エージェントを誤って適用した場合に予期せぬ結果が生じるリスクがある。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。