「子どもの体力がなくて心配…」実は毎日の食事でエネルギー不足になっているかも?専門家が解説
また、平日休日ともに欠食をしないことも重要です。いくつかの小中学生を対象とした研究(※2)によると、朝食欠食がある子は毎日朝食を食べる子に比べて眠気・やる気が出ない・体がだるいなどの疲労感を感じている割合が多かったことが報告されています。
運動能力の向上には、たんぱく質・ビタミン・ミネラルも大事!
良質なたんぱく質も筋肉の成長と修復に欠かせません。毎食の主菜で肉、魚、大豆製品、卵などを取り入れることは必須です。たんぱく質が摂れる食材には不足しがちなビタミンやミネラルが豊富な食材も多いため、欠かさずに食卓へ登場させましょう! また、運動能力の向上には、ビタミンやミネラルが関与しています。特に次の栄養素は日本人の大人も子どもも不足しているため、家族みんなで意識的に摂っていただきたいですね。 【ビタミンD】 魚(鮭やマグロ、青背の魚など)、卵、きのこなどの食材や、ビタミンDが強化された乳製品を摂ることで補うことができます。ビタミンDは日光に当たることで体内合成できますが、散歩や外遊びの不足、日焼け止めの過剰な使用により不足している人が増えています。 【カルシウム】 骨や筋肉の健康に重要なカルシウムは、運動能力の基盤を作ります。乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)や緑黄色野菜(小松菜やブロッコリー)、豆類などから摂取しましょう。給食のある日とない日で子どもの摂取量に差が出ているミネラルでもありますので、休日は特に意識しましょう。乳アレルギーのお子さんには丸ごと食べられる小魚や魚の缶詰、豆乳などがおすすめです。 【鉄】 鉄は酸素を運搬する赤血球や筋肉の材料になっているため特に重要です。赤身の肉や魚、豆類、ほうれん草などから摂取できます。成長期の子どもや体力を必要とするスポーツをしている子ども、月経が始まった女子には意識的な摂取が必要です。貧血になると酸素運搬能力が低下し動体視力や持久力が低下します(※3)。集中力が続かなかったり、ミスが続いてしまったりするのは気合が足りないわけではありません。パフォーマンスが低下しないよう満たしてあげましょう。 ※食事のタイミング 食事のタイミングも運動能力に影響します。運動前には軽めの食事を摂ることでエネルギーを確保し、運動後にはリカバリーを助けるために、タンパク質+炭水化物を含む食事を。例えばバナナとヨーグルト、卵サンドといった組み合わせがおすすめです。 子どもの健全な成長と体力・運動能力向上には、エネルギー源となる炭水化物、筋肉の修復を助けるタンパク質、骨や筋肉の健康を支えるビタミンとミネラルが鍵となります。日々の食事に気を使い、バランスの取れた栄養素を意識的に摂取することで、子どもたちの運動能力を最大限に引き出してあげたいですね!