「台湾有事は日本有事であり、世界有事でもある」…頼総統の側近「トランプ氏の考えに貢献できる」
【台北=園田将嗣】台湾与党・民進党の林右昌秘書長が19日、台北市で読売新聞のインタビューに応じ、頼清徳(ライチンドォー)政権の対外方針について語った。中国の軍事的威圧を非難し、米国のトランプ次期政権や日本との関係強化を重視する考えを強調した。インタビュー要旨は以下の通り。
米台関係
台米関係はここ数十年間で最良といえる。米国の新たな情勢に注目しているが、トランプ氏が大統領になるのは初めてではない。前回大統領だった時、台湾に関わる多くの重要法案を可決させ、米国製武器の売却も決めてくれた。
民進党政権・頼総統の下での台湾は、米国にとって安定して信用できるパートナーだ。(トランプ氏が防衛費の増加を求める)安全保障分野では、当然最大限の力を尽くす。台湾の存在に関わる根本的な問題だからだ。蔡英文(ツァイインウェン)前総統が就任して以降、軍事費は増加し続け、現在は過去最高となっている。
台湾はより重要な国際的役割を果たさなければならない。8~9月に頼総統の代理としてワシントンやニューヨーク、ヒューストン、サンフランシスコ、ロサンゼルスを訪問し、調査研究機関や米国の要人らと会談した際に伝えたメッセージでもある。
台湾の経済力は強大で、実質域内総生産(GDP)も伸びている。軍事関連の投資も増えており、当然今後も力を入れる。最近、米国から(購入した)新たな戦車が台湾に搬入された。高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」なども含め、私たちは常に自主防衛力を強化している。
「米国を再び偉大にする」と掲げるトランプ氏の考えに、台湾は間違いなく大きな貢献ができる。米国が再び偉大になるためには、間違いなく台湾が必要だ。特に中国を除外した世界的なサプライチェーン(供給網)の再構築で、台湾は重要な役割を果たせる。
中台関係
台湾は数十年間、ずっと中国の脅威にさらされている。中国は台湾が何をしても歓迎することはない。重要なのは中国が望むかどうかではなく、我々が何をすべきかということだ。