地区によっては気温44度…強烈熱波の中国『公共のモノは自分のモノ』? なんでもアリの「猛暑対策」
プールの水面が見えなくなるほど、ぎゅうぎゅう詰めになって泳ぐ人々。強烈な日差しから肌を守るためか、全身を完全防護し海岸に立つ女性。熱くなったマンホールで目玉焼きを作る少年――。 【画像】人工降雨剤の入ったミサイル発射!? "強烈熱波"中国の独特な『猛暑対策』 下に掲載したのは、したたかに酷暑を生き抜く中国の人々の写真だ。背景には強烈な熱波の影響を逆手にとった、独自の知恵と考えがあるという。記録的な暑さの被害は日本を上回る。 「中国では1961年の統計開始以来、最高水準の気温を記録しています。東部の浙江(せっこう)省や江蘇(こうそ)省、中部の安徽(あんき)省、西部の新疆(しんきょう)ウイグル自治区などでは連日44℃近くまで上昇。干ばつなどで317万ヘクタールの農作物に甚大な被害が出る一方、かつて経験したことのないような豪雨や洪水で中部の巨大湖・洞庭湖(どうていこ)の堤防が決壊するなど深刻な状況です。殺人熱波などの自然災害により被害を受けた人は3000万人以上、300人を超える人々が命を失いました」(現地メディア記者) 中国の「猛暑対策」は独特だ。干ばつが続き熱波警報が発令されると、人工降雨剤の入ったミサイルを空に向けて発射。広場に集まった人たちには、ゾウに吸引させた大量の水を噴射させ涼をとってもらう。もはやなんでもアリだ。 日本人からすると驚くばかりの行動について、中国人ジャーナリストの周来友氏が解説する。 「中国人には『公共のモノは自分のモノ』という考えがあります。うまく使わなければ損をすると考えているんです。よくエアコンの利(き)いたデパートの家具売り場で、展示品のベッドに横になり気持ちよさそうに眠る中国人の様子が紹介されますが、彼らに後ろめたさはありません」 別の狙いもあるという。 「目立つことをして、注目されたいという欲求です。派手な格好を動画に撮り、再生回数が増えれば広告収入も得られます。見てくれなど関係ありません。猛暑でもやり方しだいでバズることができるのではと、中国の多くの人々が考えているんです」(周氏) 人の目を気にしてばかりいては、損をすることもある。お行儀の良い日本人には、たくましい中国人の猛暑対策から学ぶべきことがありそうだ。 『FRIDAY』2024年8月23・30日合併号より
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