「歯の着色汚れの原因が醤油?」「食後30分は歯をみがかないほうがいいはウソ?」歯科医が教える40代以降が気をつけたいこと
口腔内の健康が美しさに直結する40代。「歯の着色汚れ」と「口臭」はエチケットとしても気をつけたいところ。それぞれの原因や対策を学んで、思い切り笑える口もとを目指しましょう! 【写真】40代以降におすすめの歯磨きやマウスウォッシュをみる!
教えてくれたのは……新妻由衣子先生
昭和大学歯学部歯科保存学講座保存修復学部門 講師・歯学博士。2014年日本大学歯学部卒業、2018年昭和大学大学院美容歯科学修了。日本歯科保存学会認定医。日本歯科審美学会認定医。保存修復学、審美歯科学を専門とする。所属学会は、日本歯科保存学会、日本歯科審美学会、日本デジタル歯科学会、日本臨床歯科学会ほか。
歯が白くなれば、清潔感がアップして見た目も若々しくなる!
――そもそも、歯の着色汚れの原因とは何なのでしょうか? 「着色汚れは、タバコのヤニや食べ物などの着色因子が歯の表面に沈着することで起こります。特に色の濃い食べ物は、歯に色がつく原因に。たとえば、コーヒー、紅茶、赤ワインといったところはよく知られているところですが、トマトやイチゴなどのポリフェノールも着色汚れにつながります。あまり知られていませんが、日常的に口に入れているミートソースやチョコレート、カレーやお醤油なども、着色汚れの原因になります」 ――どれもよく口にするものばかりです……。つまり、こういったものを食べる回数を減らした方が着色汚れは防げるということでしょうか? 「確かにそうなんですが、好きなものをやめるのは難しいですし、私は自分が好きなものを無理に我慢する必要はないと思っています。それよりも、食べたあとどうケアするかが大事。たとえば毎日コーヒーを飲むのをやめるのではなく、飲んだあとにすぐ歯みがきをする。歯みがきが難しい場合は、うがいをするだけでも効果はあります。洋服にシミをつけてしまったときと同じで、歯に着色因子がついたあと、そのまま放置する時間が長くなればなるほど、汚れは取れにくくなります。
着色の原因となる飲食物を摂取して、すぐに私たちの目に見えるようになるわけではありません。着色因子が少しずつ蓄積していくことでだんだんと目に見えるようになるので、毎回リセットするつもりで早めにケアを行いましょう。また、水でうがいするのもいいですが、着色汚れがつきにくくなるマウスウォッシュで口をゆすぐとなおいいですね」 ――着色汚れの予防には、食後すぐの歯みがきやうがいが重要なんですね。 「そうなんです。でも、患者さんとお話ししていると、以前巷に一気に広まったウワサを信じて、『食後30分は歯をみがかないほうがいい』と誤解されている方がとても多いんです。ですがこれは医学的根拠のない説。酸性の飲食物を摂取したあとは、酸によって歯のエナメル質が溶けてしまう酸蝕症に注意する必要がありますが、食後すぐに歯みがきをしたほうがいいことは多くのエビデンスがあり、様々な学会でも発表されています。 しかも、食後なるべく速やかに歯みがきをすることは、着色汚れだけでなく、虫歯や歯周病を予防するうえでも大切な習慣です」