80年代のアイコン「ランチア デルタHF 4WD」は日常使いできる全輪駆動スポーツカーだ!
結論
全輪駆動のタフでスポーティな「デルタ」は、居心地の良い快適な「アウディ90クワトロ」の対極にある。「デルタHF インテグラーレ16V」でなくても、ナロー4WDで十分だ。
プラスとマイナス
1987年から1992年にかけて、ランチアはデルタでラリー界を制覇した。もちろん四輪駆動である!「831」シリーズのデルタは、1979年から1994年まで、信じられないほど長い間市販され続けたが、実はまったく普通のモデルである。フロアアッセンブリーとエンジンは「フィアット リトモ」と密接な関係があり、モジュラーシステムは親会社フィアットのものだ。エンジンの数が多いため、「デルタ」のスペシャリティは複雑で分かりにくい。4気筒エンジンが標準であり、排気量は1.3リッターから2.0リッター、出力範囲は75馬力から210馬力である。自然吸気とターボ、キャブレターとガソリン噴射、8バルブと16バルブ、触媒コンバーター付きとなしがある。
「デルタ」ファミリーのもうひとつの共通点は、4ドアボディだ。数枚の金属板からなるフロントガラスのフレーム、Cピラーからルーフへの移行部やその端縁、リヤホイールアーチやドアの下面など、多くの箇所で錆が発生している。1987年に発表された「HFインテグラーレ」では、ワイド化されたフェンダー、バンパーやシルパネルの変更、大径15インチホイールの採用など、大幅な変更が施された。「デルタ」を改修しようと思ったら、専門的な知識が必要だ!「HF 4WD」のボンネットのプラスチック製スクープでさえ、希少価値があり、引っ張りだこだ。 全輪駆動は複雑ではないとされ、スペアパーツはツテがあれば簡単に手に入るし、ターボチャージャーの修理も専門業者が請け負っている。購入できるパーツの種類も豊富にあるが、初期の「ランチア デルタ」を走らせ続けることは、困難である。
市場状況:
オンラインで検索する限りでは、「デルタHF 4WD」はほんの一握りしか見つけることができず、ナローターボの全輪駆動車はインサイダー情報のようである。「デルタ インテグラーレ」は、その10倍以上である。しかも、「HF 4WD」の掘り出し物が見つかるのはせいぜいイタリア国内だけで、状態が良さそうなものは2万ユーロ(約340万円)の大台を超える。かなり手直しが必要な状態のものでも1万ユーロ(約170万円)はする。
スペアパーツ:
少なくともデルタは例外である。実際、スペアパーツの供給は、ボディワークがノーマルのデルタとほとんど変わらないシンプルなHF 4WDよりも、高度に複雑化したインテグラーレの方が優れている。「HF 4WD」の場合、スチール製リヤクロスメンバーが590ユーロ(約10万円)、サスペンションジョイントが25ユーロ(約4,250円)。フロントウインカーは入手困難で、フロントガラスは品薄で1,000ユーロ(約17万円)前後する。欠陥のないパーセルシェルフは1,000ユーロ(約17万円)、内装一式は2,500ユーロ(約43万円)。
Jan-Henrik Muche