主力選手が続々と米移籍 日本球界の“空洞化”に懸念も…メジャーが次に狙う選手の“実名”とは
2年連続3度目となるシーズンMVPに輝いた大谷翔平(ドジャース)を筆頭に、日本人選手の活躍が目立った2024年のメジャー・リーグ。今オフも海外フリー・エージェント(FA)権を行使した菅野智之、ポスティングシステムを申請した佐々木朗希や小笠原慎之介、青柳晃洋がメジャー移籍を目指しており、菅野は既にオリオールズとの契約が発表されている。2025年は、さらに日本人選手がメジャー・リーグを席巻する可能性は高いだろう。この波は今後も続くことが予想される。【西尾典文/野球ライター】 【写真を見る】いまメジャースカウトの注目度が高い「2人の投手」 ***
“投手優位”の時代が続いている
まず、2026年シーズンからメジャーでプレーする可能性が極めて高い選手が、村上宗隆(ヤクルト)だ。史上最年少となる三冠王に輝いた2022年シーズンオフに推定年俸6億円の3年契約を結び、契約が切れる2025年シーズン後のポスティングシステム申請を認められたことを明言。今オフの契約更改の場でも改めて「(来年が)日本でやる最後のシーズンになると思います」と発言しており、大きな怪我や極度の不振がなければ、メジャー移籍が“既定路線”と言える。 ただ、今後メジャー球団が狙う日本人選手の目玉が村上になるかと言えば、決してそういうわけではないそうだ。ある球団の編成担当者はこう話す。 「メジャー球団のスカウトはシーズン中にも日本のプロ野球を視察していますが、ほとんどのケースがピッチャーをターゲットにしています。(二刀流の)大谷以外の日本人野手では、鈴木誠也(カブス)と吉田正尚(レッドソックス)が結果を残していますが、まだまだ活躍している選手は少ない。一方で、ピッチャーは多くが戦力になっており、エース級の活躍をしている選手が目立ちます。また、メジャーでも安定した成績を何年にもわたって残せるピッチャーは減少しており、トミー・ジョン手術で長期離脱する選手も多い。少しでも、力のある投手がいれば、積極的に確保したい球団が多いのではないでしょうか」 過去5年間で、海外FAやポスティングシステムを利用して、メジャー球団に移籍した選手は13人を数える。そのうち野手は4人で、現在もメジャーでプレーをしているのは、鈴木と吉田だけである。冒頭で触れた今オフにメジャー移籍を目指す選手は、全員が投手だ。依然として“投手優位”の時代が続いている。 そうなれば、次にメジャーを狙う投手が気になってくる。前出の編成担当者は、高く評価されやすい投手には2つのポイントがあると指摘する。