好天に恵まれた大型連休。人出が伸びたと思ったら全国の88%で減少、コロナ5類移行後初なのになぜ? 一番活発に動いた人たちは…大規模データの分析から判明
2024年の60地点の人出を合計すると1日平均982万2900人となった。前年の1052万6300人からは6・7%のマイナスだ。コロナ禍で行動自粛が広がった2020年との比較では3倍となったが、コロナ前の2019年の水準には届かなかった。 ▽東京のホテル宿泊料金は2年前の2倍以上に 今年の大型連休は、深刻化する物価上昇を背景に、料金が割高な時期の旅行を敬遠する動きが出たもようだ。 大手旅行会社の日本旅行では、大型連休中の予約数が前年と比べ約3割減った。同じく昨年より予約数が減ったというエイチ・アイ・エス(HIS)によると、航空運賃の上昇などが響き、平均旅行単価は前年より1割程度高い約10万円だった。 大都市圏を中心に、訪日客の増加に伴ってホテル代が上昇する傾向が目立つ。東京都内のホテル事業者らでつくる業界団体「東京ホテル会」に関連するシステム開発を手がけるネオマウント(東京)によると、今年の宿泊料金の平均は2年前の同じ時期の2倍以上の水準で推移しているという。
▽性別、年代ごとに分けるとシニア女性の人出は増加 一方、日帰りツアーや地域密着の催事の一部では昨年以上のにぎわいが見られた。「安近短」の行楽に人気が集まったとみられる。 盛岡は昨年、米紙ニューヨーク・タイムズの「2023年に行くべき52カ所」に選ばれて国内外の関心を集め、人出が大きく伸びた。今年、駅周辺は前年比では大幅なマイナスとなったが、盛岡観光コンベンション協会の担当者は「むしろ市民も含めた人出は増えている印象だ」と話す。盛岡市内全体で、フリーマーケットなど地元住民の参加が多いイベントの開催が昨年に比べて増えたと指摘する。 HISによると、全国的に日帰りバスツアーの予約者数は昨年の水準を上回り、満席が相次いだ。宿泊旅行に比べ料金が安価なのが強みだという。 クロスロケーションズのデータを性別、年代ごとに分析すると、今年の大型連休期間は60代以上のシニア女性の人出が増えた。60地点合計の人出について、20代までの若者、30~50代のミドル、60代以上のシニアに区分し、さらに男女別に分けた。シニア女性の人出は1・0%増加したが、全ての年代層の男性と、シニア以外の女性はいずれもマイナスだった。