「卵子凍結」という選択肢 悩む私は20代後半…専門家に聞いたリスクと現実を前に
■「産む予定がない」が6割超 株式会社識学が「現在こどもがいない人」を対象に「こどもを産みたい・もしくはこどもを産む予定があるか」を尋ねたところ ・「こどもを産みたいとは思わない・産む予定はない」が最多の44% ・「こどもを産みたいと思っているが、産む予定はない」が20% →『こどもを産む予定はない』とした人の合計は64%に上った。 また、「こどもの出産・妊娠について心配だと思うこと」は ・「教育費等を含めた経済面」が47.3%で最多 ・「育児と仕事の両立」が次いで43.3%だった。 ■費用とタイムリミット 卵子凍結にかかる費用は病院や卵子の数などによって異なるものの、まず採卵から凍結までに約30~40万円。年数に応じて保管にも費用を要す。このほか、凍結した卵子を使用して顕微授精し、受精卵を育てて子宮のなかへ戻すのに約30万円かかる。 年齢制限はないが、採卵時の年齢は36歳未満が望ましいとされていて、凍結した卵子の使用については、高齢出産による合併症のリスクを考慮し、45歳以上は推奨されていない。 ■「卵子凍結」に対する自治体の対応 2023年10月、東京都は「子育て支援策」として、健康な女性が卵子凍結をする際の費用助成を始めた。対象は都内に住む18歳から39歳の女性。 卵子凍結をした年度に上限20万円を助成、さらに卵子の保管更新の際に都の調査に回答すると1年ごとに2万円を助成するというものだ。また、凍結した卵子を使って妊娠に向けた治療をする際にも、妻の年齢が43歳未満の夫婦を対象に、1回につき上限25万円を助成する。 東京都の小池百合子知事は「子どもを産み育てたいという希望はあるが、様々な事情によってすぐには難しい方にとって、『卵子凍結』は将来の妊娠に備える選択肢の一つ」としている。 ■長崎県が助成しない理由 一方、長崎県内では、現時点で健康な女性に対しての「卵子凍結」の助成は行っていない。その理由として、長崎県こども家庭課の担当者は「高齢出産は母体への負担がかかる、ということを周知しているところ。卵子凍結の助成は相反する部分である」としている。