「卵子凍結」という選択肢 悩む私は20代後半…専門家に聞いたリスクと現実を前に
今回話を聞いた三浦教授は、妊娠・出産について、できるだけ早い時期から男女問わず考えていくことが最も大切だと話す。 長崎大学病院産婦人科 三浦清徳教授: 「今すぐ妊娠したいと思ってない人でも、将来を見据えて体を整えておくこと、がん検診なども含め、自分の体に向き合い続けることが大切。それによって予防できる病気もたくさんある。まず20歳になったら子宮がん検診を受ける。定期的な検診によって、それぞれがかかりつけの産婦人科を持ち妊娠・出産の悩みも相談する、そのサイクルを当たり前にしていくことが求められています」 将来の妊娠を考えながら、女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うことを「プレコンセプションケア」という。 若い状態の卵子を数十年にわたって保管し続ける「卵子凍結」は、時間を止める魔法の手段ではなく、心身への負担を負いながらも妊娠・出産の可能性を広げる選択肢の一つだ。 そのリスクを知った上で選択すること、何より、性別や出産の希望を問わず、若い頃から命や自分の体について考える機会を持つこと、それがより当たり前になることこそが大切だと感じている。(取材:NBC長崎放送アナウンサー・記者 久富美海) 【今回お話を伺った専門医】 長崎大学病院産婦人科・三浦清徳教授 (日本産科婦人科学会 専門医・日本女性医学学会 認定女性ヘルスケア専門医・日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医など) 長崎大学病院産婦人科 梶村慈副医局長 (日本産科婦人科学会 専門医・母体保護法指定医など)
長崎放送