学生の「盗撮事件」が続発する”闇深すぎる理由”…名門サッカー部にエリート校も、安易に盗撮に走る「ヤバい若者たち」
校内盗撮が増えた背景
長年、盗撮事件を取材する筆者が知るなかで、学校内での盗撮の最も大きな事件は10年ほど前に起きた「X(ビデオタイトル)盗撮事件」と呼ばれるものだ。女子生徒が盗撮カメラを持って、女子生徒の着替えを盗撮。これの日常的に行って、撮りためた大量の映像を販売していた事件だ。 女子生徒たちの着替え、階段を歩く様子、修学旅行の風呂など学校生活のありとあらゆる場面を盗撮したもので、ビデオパッケージとして大量に売られた。裏ビデオ店員によると、「X盗撮ビデオ」は記録的に売れたようだ。撮影された女子生徒たちはまさか同性のクラスメイトが盗撮しているとは想像もしなかっただろう。 こうした事件もあったので、校内盗撮自体は決していまに始まったことではない。最近増えた印象があるのは、学校側が「公表」するか否かと筆者は感じている。 実は、昔の校内盗撮は、学校が隠ぺいすることが多かった。注意で終わり、という雑な対応をした学校もあったのだ。 だが昨今は、盗撮事件が昔よりも重大になり「学校で対処できなくなった」という見方が正しいかもしれない。文科省が去年2月に学校内で起きた犯罪について、積極的に通報するよう通知していることも背景にあるだろう。 筆者がこれまで取材してきたケースを見る限り、盗撮した生徒の多くは発覚した時点で退学処分となっている。被害者のことを考えれば、加害生徒には全く同情する余地などないのだが、盗撮した生徒たちも退学を覚悟の上で盗撮しているわけではないような気がする。だからこそ、グループチャットで「生しか勝たん」などと無邪気に喜んでいるのだと思う。 事件が発覚し加害者が退学処分となるケースを見ると、筆者は「学校でもう少しレクチャーできなかったのかな」といつも感じる。スマートフォンの正しい使い方を説明するのは、事件の前にやるべきだと思うのだ。盗撮の悪質性や被害者の感情について、さらに盗撮した場合、学校は加害生徒にどんな処分をするか。学校側が予防的なアクションを行っていたのなら、校内盗撮の件数が少しは減っていたかもしれない。