猪口邦子参院議員宅の火災 死亡の2人は夫の孝さんと長女
東京都文京区にある自民党の猪口邦子参院議員(72)の自宅マンションでの火災で、警視庁捜査1課は1日、死亡した2人の身元がDNA型鑑定の結果、夫で国際政治学者として知られる東大名誉教授の孝さん(80)と長女(33)と判明したと明らかにした。死因はいずれも焼死だった。 【写真特集】火災が起きたマンションを調べる捜査員 警視庁によると、室内南側中央の応接室の焼損が激しかった。そこが火元とみられるが、出火原因の特定には至っていない。孝さんと長女は玄関近くの台所付近で見つかった。警視庁は長女については、遺族の強い要望を受けて匿名とした。 玄関は施錠され、防犯カメラの映像からも第三者の侵入は確認されなかった。焼け跡からガソリンなど油の成分は検出されず、孝さんと長女の間でトラブルもなかったことなどから、警視庁は事件性はないとみている。 家族は4人暮らしで、猪口氏と次女は出火当時、外出中だった。 孝さんは1944年、新潟県生まれ。東京大教養学部卒、米マサチューセッツ工科大大学院博士課程修了。東京大、中央大教授や国連大学上級副学長、新潟県立大学長、桜美林大アジア文化研究所所長などを歴任した。 各国の統治システムや社会・経済との関わりを分析。世論調査の手法を用いて、比較政治学の分野で功績を残した。著書に「交渉・同盟・戦争 東アジアの国際政治」「データから読むアジアの幸福度 生活の質の国際比較」、共著に「『族議員』の研究 自民党政権を牛耳る主役たち」など。英語での学術書執筆にも力を入れた。 2023年に瑞宝中綬章。【木原真希、栗原俊雄】