PTAには必ず加入しないといけないのでしょうか? 共働きなので、役員になるとボランティア活動をするのが難しいのですが……。
PTA会費は何に使われるの?
PTAの会費の使途は大きく「運営費」と「活動費」に分かれます。 「運営費」はPTAの組織を維持するために必要な費用で、コピー機などのリース料や、通信費、事務用品などの購入費などに使われます。PTAの組織を維持するための固定費といえます。 「活動費」はそれぞれのPTAによって差があります。広報誌の印刷、登下校時やイベント時のパトロールのための備品、PTA活動時に万が一事故やケガが発生した場合の保険料、PTA主催のイベント開催にかかる費用などがあります。入学時、進級時、卒業時のお祝い品などを作成する場合の費用などもあります。そのほかに、周年行事のための費用を積み立てたりしています。 PTAによっては、学校の備品購入に会費の一部が充てられる場合もあるようですが、これは望ましくありません。特に公立校では、学校が必要なものは学校(の属する自治体の公費)で購入するのが原則です。 PTAとして会費を徴収している以上、会計報告はしっかり行われるべきです。少なくとも年に一度、PTA総会などの場で会計報告を行い、承認を得る手続きを踏む必要があります。
PTAに加入、活動に参加するメリット
PTAへ参加することにより、子どもたちだけでなく保護者にもメリットがあります。 保護者同士がつながりあう機会が増え、子どもたちの学校生活への理解が深まるとともに、先生方と関わる機会も増え、学校教育への理解も深まります。また、地域との関わりも増え、地域のコミュニティとの交流も図ることができます。 PTAの活動に参加することで、子どもたちの成長の過程をより近くで感じることができ、保護者も地域とのつながりが生まれ、普段の生活もより充実したものになるでしょう。
PTAも変わりつつある
PTAの制度は戦後間もないころに導入されました。当時に比べ、共働き家庭が増え、核家族化が進んだことで保護者の状況も変わり、PTA活動に参加しにくい家庭が増えていることは間違いありません。 最近では、少子化が進行するなかには、子育て世帯を経済的に支援する動きが増えています。幼児教育無償化などのほか、地域によって差はありますが、医療費、教育費、学校給食の無償化などといった施策が国、あるいは地方自治体単位で導入され始めています。 一方、子育ての負担は経済的な面だけではありません。共働き家庭が多くなっていることもあり、子育てを夫婦で共同して行う必要性も高まっています。PTAは母が参加するものという考え方ももはや古くなっています。 PTAも変わりつつあります。 多くのPTAがコロナ禍前は、前年に行った事業を継続して行っていました。しかし、コロナ禍で前年と同じ事業を行えなくなるケースが増えました。コロナが5類に分類されて以降、学校やPTAの事業も正常化しましたが、PTAの役員はその多くが2、3年のうちに入れ替わってしまうこともあり、前年の事業を踏襲する従来のやり方では進められなくなりました。 コロナ禍を経て、「本当に必要な事業」を選別する動きも増えました。保護者の負担を軽減するためにもPTAの事業のスリム化、効率化を図り、本当に必要な事業だけに絞る、負担が大きく必要性の高くないと考えられる事業は廃止するなど、それぞれのPTAが試行錯誤しています。