古代ローマのごみ捨て場から2000年前の兵士のサンダルを発見。靴底の釘は足つぼ効果も?
ドイツ北部のハルターン・アム・ゼーにある遺跡は2010年に発見された。 この場所は1世紀のローマ軍の駐屯地アリソの防壁に近接していることから、考古学的資料が発見される可能性が高いとして研究者による発掘調査が進められてきた。そしてこの夏、ヴェストファーレン州リッペ広域団体(LWL)の研究者たちは古代ローマの遺構を見つけた。 アートネットが伝えるところによると、遺構にはパン焼き窯と見られる穴が2つとごみ捨て場が2箇所あり、ゴミ捨て場からは2000年前のグラディエーターサンダル1足が見つかった。本体部分は革製で土に還っていたものの、靴底に打たれた60本の釘がほぼ完全な状態で確認出来た。調べた結果、サンダルの靴底は動物の皮を3層重ね、釘を手打ちして作られていたことが分かった。
当時、ローマの兵士たちは、湿地帯を移動することが多かった。考古学者たちは、厚く平らな靴底が兵士の歩みを支え、突き出た釘がスパイクの役割を果たしていたと考えている。さらに、今回の調査に携わった考古学者のベッティーナ・トレメル博士は、発表資料で「兵士たちは靴下を履いていなかったため、靴底がすり減るほど釘の刺激が足底にダイレクトに伝わり、マッサージのような効果があった」と推測した。 古代ローマの兵士たちの活躍を彷彿とさせるこの遺物は、ローマ帝国時代の司祭である聖ニコラウスを記念した日、12月6日に合わせて、ヴェストファーレン州リッペ広域団体(LWL)のローマ博物館で展示される。
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