メイショウサムソン死す 21歳心不全 06年皐月賞&ダービー2冠 07年天皇賞春秋制覇
06年皐月賞、ダービーの2冠を制し、07年天皇賞・春秋制覇を達成したメイショウサムソンが、26日朝に心不全のため死亡した。21歳だった。認定NPO法人引退馬協会が発表した。 同馬は05年7月の小倉で栗東・瀬戸口厩舎からデビュー。06年春の2冠制覇は新馬戦からずっとコンビを組んできた石橋守騎手(現調教師)にとって悲願のJRA・G1制覇となった。 3冠を狙った菊花賞は4着に敗れたものの、翌07年には瀬戸口厩舎の解散に伴い転厩した高橋成忠厩舎で天皇賞・春を制覇。その秋には、準備を進めていた凱旋門賞挑戦が出国間際の馬インフルエンザ発生により断念となったが、フランスで初コンビを組む予定だった武豊騎手と天皇賞・秋を勝利した。 翌08年に改めて挑戦した凱旋門賞は10着に敗れたが、大応援団とともに現地で見届けた松本好雄オーナーは「これだけの人をフランスに連れてきてくれただけでもサムソンに感謝です」と話した。 現役引退後は社台スタリオンステーションで種牡馬入り。その後、イーストスタッドでけい養された。主な産駒は15年アルテミスSなど重賞3勝のデンコウアンジュ、17年函館記念のルミナスウォリアー、18年福島記念のキンショーユキヒメ、18年京都HJのアスターサムソン、19年中山牝馬Sのフロンテアクイーンなど。種牡馬引退後は北海道日高町のひだか・ホース・フレンズで余生を過ごしていた。 ◆メイショウサムソン 03年3月7日生まれ、北海道浦河町・林孝輝牧場生産。父オペラハウス、母マイヴィヴィアン(ダンシングブレーヴ)。馬主・松本好雄氏。調教師・瀬戸口勉、高橋成忠(ともに栗東)。戦績27戦9勝(うち海外1戦0勝)。重賞6勝。総獲得賞金10億659万9000円(同0円)。馬名の由来は冠名+怪力の人 石橋守調教師 「皐月賞、ダービーとクラシックを勝たせてもらって、ありがとうという感謝の気持ちです。そして、ご苦労さまと伝えたいです。今年、テレビの取材で会いに行って、すごく元気でした。今の2歳世代が最後で、うちの厩舎にも2頭いるので、頑張りたいですね」 高橋成忠元調教師 「瀬戸口調教師のもとで皐月賞、ダービーを勝った馬ですし、あんまり負けさせられないという思いもあり、毎日がしんどかったですね。でも、うちの厩舎にきてからもよく走ってくれました。天皇賞・春、秋を勝って、JRA賞特別賞もいただきました。 凱旋門賞(08年10着)も馬の状態は良くて、ひょっとしたら勝てるかもと思っていました。 サムソンがいなければ私はG1を勝っていませんし、いい思い出をつくってくれました。21歳はまだ早いですが、お疲れさまと伝えたいですね」