「眼瞼下垂」の治療法を医師が解説! メスを使わない手術があるって本当?
まぶたが下がって視界が狭くなる「眼瞼下垂」は、生活の質に大きく影響を与えます。眼瞼下垂の治療法として、いくつかの手術方法があり、メスを使わないアプローチも選択肢の1つです。今回は、眼瞼下垂の具体的な治療方法について、手術を含む治療法やメスを使わない治療が可能かどうかを「元町マリン眼科」の蓮見先生に詳しく解説していただきました。 【イラスト解説】「老眼」を疑う初期症状5選
眼瞼下垂とは?
編集部: まず、眼瞼下垂について教えてください。 蓮見先生: 眼瞼下垂とは、上まぶたが下がり、視界が妨げられて見えにくくなる疾患です。まぶたの動きには、まぶたを開く方向に働く上眼瞼挙筋とミュラー筋、まぶたを閉じる方向に働く眼輪筋が関係しています。何らかの原因でこの筋肉の働きが低下すると、瞳孔が上まぶたに覆われ、視界が遮られてしまうことがあるのです。 編集部: 見えにくさのほかにも症状があるのですか? 蓮見先生: そうですね。上眼瞼挙筋とミュラー筋が正常に機能せず、まぶたを十分に持ち上げられない場合、無意識におでこの筋肉を使ってまぶたを持ち上げようとします。その結果、おでこに深いしわが刻まれたり、頭痛が生じたりすることがあります。また、まぶたが上がらない状態を補おうとして、自然と顎を上げて上方を見ようとするため、肩や首に負担がかかり、こりや痛みを引き起こすこともあります。 編集部: 頭痛や肩こりが、眼瞼下垂によるものだったということもあるのですね。 蓮見先生: はい。これらの症状は、眼瞼下垂が原因である場合も少なくありませんが、 眼瞼下垂によるものだと気づかれずに放置されることも多くあります。 編集部: どうして眼瞼下垂になるのですか? 蓮見先生: 原因は多岐にわたります。先天性の場合もありますが、後天性のものが多い傾向にあります。その原因としては、例えば長年のハードコンタクトレンズ装用や、アレルギーやドライアイ、アイメイクを落とす際など頻繁に眼をこする、などがあります。また、眼の手術や外傷の既往がある方や、緑内障の点眼治療をしている方も眼瞼下垂になりやすいです。稀ではありますが、脳や神経に問題がある場合もあります。