澤穂希がサッカーを始める時、母がサッカー少年団に放った衝撃の一言…後輩にはあの名選手「すごいかわいい男の子」
中1でいきなりベレーザに
中学校に上がるとき、進路の悩みや迷いはあったのだろうか。
「ありましたよ。女の子が中学校でサッカーをやれる環境はほぼなかった。ベレーザでやるには入団テストが必要だったし、まずはメニーナのテストを受けました」
「(入団から)2か月ぐらいたったとき、急にベレーザに上がれって言われたんで。お姉さんたちとやれるうれしさと緊張と。2か月前までランドセルをしょってた女の子が、十四つも年齢の離れてるお姉さんとかと一緒にやるから、体力も違うし、キック力はないわ、技術は足りないわで、ずっと泣いてた。壁に泣きながらボール蹴って。悔しくって」
「一人で早く来て練習して、練習が終わった後も暗くなるまでずっとボール蹴ってた」
女子サッカーの課題
1999年、アメリカのクラブに移籍。当初は海外選手のフィジカルやパワーに圧倒されたという。ボールは中盤の澤さんを追い越して、DFラインからFWにロングボールを蹴りこむサッカー。
「今は(ボールを)つなぐサッカーに進化してるけど、当時は『蹴って』『走る』っていうのが主流だったからね」
女子サッカー選手を取り巻く環境は、国内外ともに大きく変化した。日本では2021年にプロリーグ「WEリーグ」が開幕。現在12チームが参加している。一方で、まだまだ課題も感じているようだ。
「観客が入るチームと少ないチームがはっきりしてるし、WEリーグがニュースになることも少ないというのは、ちょっと寂しさは感じたりもしますよね」
アメリカリーグではプレー以外で観客を楽しませるエンタメの要素や、選手とサポーターの距離の近さが良かったと振り返る。
「ハーフタイムにキックターゲットとか、子どもが家族と一緒に楽しめたり、(スタジアムに)行って楽しめるとか」
「スタジアムと選手との距離もすごい近かったから。試合が終わった後に、ファンの人たちとご飯食べたり、飲んだり、しゃべったりする機会をつくってくれるんですよ」