注目される遺贈寄付 「世の中のために」財産を贈ることです 100歳時代の歩き方 イマサラQ&A
遺贈寄付という言葉をよく聞くようになった。ただ、どのような方法や内容なのかを詳しく知る人は多くないのではないか。専門家に聞いた。 Q 遺贈寄付とは何ですか A 亡くなった人の財産から、家族以外の慈善団体や公共団体など世の中のために寄付することを総称して、そのように呼びます Q 普通、財産は子供が相続しますよね A 子供がいる場合は、よほどの理由がない限り、子供が相続します。もちろん、「子供に相続させたくない」と、団体に遺贈寄付する人もいます。相談で多いのは、子供のいない人が自分が亡くなった後に財産を有効活用してほしいと希望するケースです Q 子供のいない人が増えているので、遺贈寄付する人も増えているのでは A そうですね、私が受けている遺贈寄付の相談も増えています。子供のことのほかに、自己決定権の意識の高まりも影響していると思います Q 自己決定権とは A 生活や医療、生活様式などの自分に関わることについて、公共の福祉に反しない限り、公で決められるのではなく、自分で決める権利です。自分の財産の行き先を自分で決めることも、権利行使の一つです。行き先がなければ、財産は国庫に行くことになりますからね Q 遺贈寄付にはどのような方法がありますか A 主には遺贈です。これは遺言によって財産を渡すことです。遺言がない場合、相続人に財産が渡りますが、遺言があれば相続人でない第三者にも財産を渡すことができるのです。このほか、相続財産の寄付があります。相続人が寄付をするもので、相続人自身の意思や、口頭で故人から寄付したいという希望を聞いていた場合などです Q ほかの方法は A 信託銀行などに財産を託し、亡くなった後に指定した団体に渡すように契約することもできます。これは契約で、遺言は必要ありません (回答者 司法書士 庄田和樹)