顧客データが民主化される時代、企業CRMは大きく変わる ~ブロックチェーンを活用した大規模企業連携の手法とは~ 【web3 Jam ✕ N.Avenue club共同企画ワークショップ・レポート】
東急・アサヒ飲料はなぜweb3 Jamに参画したのか
次に登壇したのが、web3 Jamに参画している東急の天野真輔氏(フューチャー・デザイン・ラボ)だ。天野氏は、同社が昨年11月から取り組んでいる「SHIBUYA Q DAO」というプロジェクトについて説明した。これはハードの開発に取り組んできた東急が、ソフト、コミュニティと渋谷のリアルなアセットを組み合わせ、新しい価値をつくろうという取り組みで、その手段としてWeb3・ブロックチェーン、DAOを活用している。 プロジェクト参加のハードルを下げるために、暗号資産やウォレットをスマホなどにインストールしなくてもいい設計にした一方で、参加者の募集においては「NFT」という言葉を使っているといい、天野氏は、「最初に募集した100人のうち7~8割はWeb3関心層なので、最初はそういう人たちに賛同してもらうためにも、NFTという言葉を(敢えて)使った」などと明かした。 最後に登壇したのが、アサヒ飲料未来創造本部の鈴木学氏。飲料メーカーである同社がWeb3に取り組むのは、既存ビジネスが鈍化し、新規領域の創出が急務である中で、同社が重視している「CSV」(Creating Shared Value)のコンセプトをもって新たな事業領域を立ち上げたいという狙いがあるからだという。 鈴木氏によれば、同社には、社会課題解決を共創を通じて実現させたいという考えがあるといい、この点においてweb3 Jamの考え方に合致しているのだという。同社は、web3 Jamが掲げる課題の1つである「健康を『遊びながら』手に入れる。」に取り組むといい、今後、PETボトルなどの容器に依存しない飲料ビジネスのPoCを行う予定だ。 Q&Aタイムでは、同社がさまざまなブランド(三ツ矢サイダー、カルピス、十六茶など)を持っていることから、「ブロックチェーンが製造過程のコストダウンなどにも活用できるのではないか」といった指摘もあった。