再建中の米百貨店メーシーズ、24年通期の業績予想を下方修正
Juveria Tabassum [11日 ロイター] - 経営再建中の米百貨店メーシーズは11日、2024年通期決算の業績予想を下方修正して調整後1株当たり利益を2.25─2.50ドルとし、従来予想の2.34─2.69ドルから変えた。従業員が配送費を隠蔽していた問題を受け、影響を考慮して7900万ドルを計上した。 同社は11月、従業員が21年第4・四半期から24年第3・四半期にかけて約1億5100万ドルの配送費を隠すために誤った入力をしたことが判明したため、24年第3・四半期決算の公表を延期していた。 メーシーズ幹部は決算予想発表後の電話会見で「競争が激しく、販売促進が活発な商戦に直面している中で見通しを更新した」とし、「消費者は依然としてプレッシャーにさらされているとみている」とコメントした。 同社の株価は今年に入ってから17%弱下落しており、不採算店舗を閉鎖している。一方、傘下の高級小売店のブルーミングデールスとブルーマーキュリーの店舗に力を入れることで売上高を回復させようとしている。 消費者のオンライン通販への流出を食い止めるのに苦戦しているメーシーズは今年、アクティビスト(物言う投資家)ファンドのバリントン・キャピタル・グループとソー・エクイティーズの両社から経営改善を要求されている。両社はブルーミングデールスとブルーマーキュリーについて選択肢を検討することや、不動産事業の別部門を設立するよう求めている。両社によると、メーシーズの旗艦店であるニューヨーク市中心部ヘラルドスクエアの店舗を含めた保有不動産は約50億─90億ドル相当の価値があるのに対し、メーシーズの時価総額は46億ドルにとどまっている。 メーシーズは7月、不動産投資会社アークハウス・マネジメントと資産運用会社ブリゲード・キャピタル・マネジメントが69億ドルを提案していた買収交渉を打ち切り、理由を「魅力的な価値」が提供されなかったためだと説明した。