Meta、詐欺広告めぐる声明に「批判殺到」の必然 「膨大な数の広告を審査」ゆえ「社会全体でのアプローチが重要」との主張に正当性はあるのか
一般ユーザーとMeta社の社員が、どれだけ反応したかをカイ2乗検定(編補:2つの変数に対する2つの観察が、互いに独立かどうかを検定する)などすれば面白いだろう。同社の社員がわかっていて放置したのだとすれば、内部告発などが期待できるだろう。 ■Meta社の優位性 ところで、これは私ではなく、私の属する会社なのだが、かつてFacebookで広告を出した。多額ではなかったが、「あ、こんなに簡単に出せるんだ」と驚きがあった。
他社はかなり審査などが細かったり、通った後でも突然に停止されたりする。それに対して、Facebookは利便性が高く、融通が利いたのは事実だ。詐欺以外の、まっとうな広告を出している主がいれば、私と類似の感想を抱いただろう。 小資本でも広告が出せ、さらに自社のフォロワーに近い属性の方々に広告を打てる。これは間違いなくMeta社(当時のFacebook)が起こした革命だった。だって、マーケティングではリストが最重要といわれていたのに、リストすらなく広告が打てたのだから。
しかし、現在ではGoogleや他のプラットフォームがそうであるように、過去と比べてかなり慎重に審査が必要だ。また、Facebookのようなソーシャルメディアプラットフォームは、広告を通じて収益を上げるビジネスモデルがメインだ。 だからあくまでMata社に限らずに一般論でいえば、短期の収益を追えば、やや審査が手薄になる可能性がある。このモデルは適切なフィルタリングや監視の欠如が原因で、詐欺的広告が流通するリスクがある。
■「詐欺広告は避けられない」と暗に言っていいのか ところで、指摘するまでもないが、同社が今回の宣言で「世界中の膨大な数の広告を審査することには課題も伴います」「オンライン上の詐欺が今後も存在し続けるなかで、詐欺対策の進展には、産業界そして専門家や関連機関との連携による、社会全体でのアプローチが重要だと考えます」と述べたのは、当然ながら弁護士や社内部門やら、経営トップのややこしい承認を受けた果てにある、と私は予想する。