Meta、詐欺広告めぐる声明に「批判殺到」の必然 「膨大な数の広告を審査」ゆえ「社会全体でのアプローチが重要」との主張に正当性はあるのか
先週に某テレビ局で森永さんにご挨拶をした。思うに、私が出会って13年ほど、森永さんはずっと日本の“経済ネタ”の顔であり続けた。有名人の詐欺・なりすまし広告で無断利用される回数は、私の観測範囲では森永さんが圧倒的な1位だ。多くの人にとっても、上位3人にはきっと入るであろう。 たしかに、私も森永さんをサムネに登場させた、“怪しげな”金融広告をFacebookで見たことがある。個人的に存じ上げている私は、もちろん森永さんが、そのようなことをしないと理解するが、森永さんの写真につられてクリックした人もゼロではないだろう。少なくとも、多くなければ、広告の費用対効果がないと判断され、そのような広告が続く必然がない。
そこで森永さんのマネジャーの方に直接聞いてみると、Meta社には何度も詐欺・なりすましの宣伝についてメールを送付していたという(さすがにこれはメールの履歴を確認までしていないものの、私に虚偽を伝える必然性はないだろう)。 しかし同社からは返信がなく、事実上、放置になっていたようだ。 おそらく、ここに同社の言い分の苦しさがあり、さらに第三者も反応している点だろう。 もちろん無数の詐欺広告が存在しているのはわかる。すべてを完全に消去するのは難しかろう。ただし、詐欺広告を出す側からすると、費用対効果がなければならない。とすれば、必然的に有名人の詐欺広告が増えるはずだ。
しかも、今回、本物の有名人が「自分が詐欺広告に使われた」と宣言していた。相当数が本人から同社へ、直接のクレームが届いていたと思われる。上位アカウントだけでも、広告から削除するのは、それほど時間がかからない。しかし、当事者が実感できるほどは、削除されていなかった。 私が興味深いのは、Meta社の社員が、どれだけ一連の詐欺・なりすまし広告にクリックしていたか、だ。社員でなくても、Facebookを利用していれば、その詐欺広告の存在には気づく可能性が高い。そう考えると、おそらく相当数の社員は気づいていて、しかしながら放置していたのではないだろうか。