Meta、詐欺広告めぐる声明に「批判殺到」の必然 「膨大な数の広告を審査」ゆえ「社会全体でのアプローチが重要」との主張に正当性はあるのか
・あっさり不作為を認めると、過去の自分たちが無能で無策あると認めることになりますよ ・詐欺広告の上位をあっさりと削除できたら、自分たちが何もやっていないことがバレて、訴訟リスクがありますよ ・株主の手前、現経営陣の不手際をバラすのはやばすぎませんか ・何より、自分たちも問題はわかっていたけど、それを正直にいうのはまずいですって などなど、さまざまな意見があったはずだ(なお、上記は私の経験からの想像)。 それは理解する。しかし、現実的にはMeta社はすぐれたAIを作っており、この程度の詐欺広告が排除できないと告白すればダメージは避けられない(「このAIは優秀ですが、しかし、森永卓郎さんの詐欺広告出稿は見抜けません」と注意書きすれば、それはそれでシュールだとは思うが)。
何よりも、消費者信頼の低下が企業イメージに悪影響を及ぼし、そのブランド価値が損なわれることは望まないだろう。このように考えれば考えるほど、今回のMetaの声明は「悪手」でしかなかったのではないかと、私には思われるのだ。
坂口 孝則 :調達・購買業務コンサルタント、講演家