「リッチモンドホテル」でロイホやシズラーが食べられる理由とは? 人気ビジホが誇る「確かな美味しさ」と「個性あふれるメニュー」のルーツを探る
そもそも、なぜロイヤルホストやシズラーがリッチモンドの朝食会場なのか。実はリッチモンドは、ロイヤルホストとシズラーを経営するロイヤルホールディングスのグループホテルなのだ。 1996年、ホテル事業2軒目として創業した『ロイネットホテル武蔵野』(現・リッチモンドホテル東京武蔵野)からシズラーで、2000年の『ロイネットホテル仙台』(現・リッチモンドホテル仙台)の創業から、ロイヤルホストでの朝食提供を開始している。
そのきっかけについて宗像氏は、「元々はホテルを建てる際にテナントを探していて、グループということで優先的にお声がけしたと聞いています。結果テナントに決まり、ならば朝食を提供していただき、グループでシナジーを発揮していこう、という話になったのです」と説明する。 つまり、偶発的だったのだ。ちなみに、同じくテナントに入っているという理由から、ライバル的存在であるガストや、居酒屋で朝食を提供しているリッチモンドもあるそうだ。
■どて煮から日本酒まで。19ホテル全部違う ロイヤルホストやシズラーでの朝食もすごいが、リッチモンドは直営レストランで提供する朝食ビュッフェにも、並々ならぬこだわりがある。しかも、ホテルごとに半分はご当地メニューを取り入れているため、提供する19軒それぞれに内容が異なる。 「ぜひ自慢の朝食を体感してほしい」との勧めで『リッチモンドホテルプレミア京都四条』に宿泊したところ、想像を越えた“ご当地の味”に圧倒された。
「にしんと茄子のたいたん」などのおばんざいはもちろん、ライブキッチンで作りたてを提供する京風だし巻きに焼き鯖寿司、聖護院大根や西京味噌のドレッシング。朝食のテーマを「京イタリアン」に設定しており、ゆばのオリーブオイルがけといった創作系メニューも目を引く。他方、鉄板で焼き上げるローストポーク、ミネストローネなど洋食も充実していた。 また各料理は陶芸作家が制作した小皿に盛り分けられており、ゲストが京格子のすかし箱に取り分ける演出も旅情を誘う。なかでも目が釘付けになったのは、3種の「モーニング日本酒」だ。