「スイッチが切れてしまう選手が多い」ボーフム浅野拓磨が大敗にこぼした本音。自身は最後まで戦う姿を見せた【現地発コラム】
「自分の行動で、何かチームの力になることができたらいい」
じり貧な試合展開に焦って攻めようとするチームは、相手が集中するセンターで無理なパスを狙っては、カウンターのプレゼントを与えてしまう。そのたびにまた長い距離を走って戻らなければならない。何とかボールを奪取したのをみて前線に飛び出してもパスが出てこない。孤立状態でボールを預けられることが多く、起点を作ることもままならない。 それでも気持ちを切らさず戦う姿勢を見せてくれるから、トーマス・レッチュ監督も最後まで浅野をピッチに残しているのだろう。 「僕自身、良いときも悪いときもやるべきことをするというのは常に変わってないです。練習前の準備から練習後のケアも含めて、そういう姿勢であったり、自分の行動で、何かチームの力になることができたらいいかなと思ってます。チームの中でも、もう若い方でもないので」 どんな試合でも最後まで足を止めずに戦い続ける。だからファンからの信頼もとても厚い。残留争いを続けるボーフムにおいて、29歳の快足ストライカーは、指揮官やチームメイト、そしてファンの期待を背負って戦う戦士なのだ。 取材・文●中野吉之伴