【意外なモノがガスに】下水からガス作る「メタネーション」技術 ほぼ100%輸入→エネルギー自給率アップにつながるか 大阪・関西万博で実証実験
スイッチひとつで火がおこせる便利な時代ですが、いま、このガスを作る方法が変わろうとしています。
大阪ガスのエネルギー技術研究所で「新しいガス」が作られているということで、お邪魔してきました。 研究員の秋元真也さんが見せてくれたのは・・・ 「メタネーションの試験装置になりまして、ここで新しいエネルギーを作っています」。 『メタネーション』とは、都市ガスの原料となるメタンを生み出す技術のこと。 大阪ガスの研究所で進めているのは、『下水』と『バイオプラスチック』からメタンを精製し、そこからガスを作る「メタネーション技術」です。
下水からガスを作る仕組みは?
仕組みはこうです。 下水の汚泥やバイオプラスチックに含まれる「有機物」を微生物がエサとして食べ、分解する過程で、二酸化炭素を含むガスが発生します。 この二酸化炭素を含むガスに「水素」を掛け合わせると「メタン」が完成するとのこと。 下水がエネルギーの元になるとは驚き!ですが、実は「環境を守ること」にもつながっています。 下水の汚泥は、焼却し埋め立て処理されています。しかし「メタネーション」により焼却時に出る二酸化炭素を削減することができ、なにより廃棄物から新たなエネルギーを生み出す事ができるようになります。
天然ガス輸入率は約98% エネルギー自給率アップにつながるか 目標は「2050年までに9割」
さらに、こんなメリットも。 (秋元さん) 「都市ガスの原料の天然ガスは海外から輸入している。こういった形で国内の廃棄物処理施設で都市ガスの原料を作ることができれば、エネルギー自給率アップにもつながるんじゃないかと期待されている」 現在、ガスの原料となる天然ガスの約98%を輸入に頼っている日本。 国は、2050年までに都市ガスの9割をメタネーションで出来た「エコなガス」に切り替えることを目標にしています。
大阪・関西万博で実証実験 政府関係者訪れる「迎賓館」で使用
大阪ではいま、このメタネーションの大型設備の建設が進められています。 設備は来月完成し、一般的な家庭およそ170軒分のガスを製造することができるそうです。 この設備で作られたガスは、来年開幕の「大阪・関西万博」で実証実験の一環として、海外の政府関係者らが食事をする「迎賓館」で使われる予定です。
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