無洗米はおいしくないと言われる理由は? 世界で初めて無洗米を開発した会社に聞いてみた
「無洗米はおいしくない」と言われるようになった理由
――そんな無洗米がどうして「おいしくない」と言われるようになったのでしょうか? さまざまな理由が考えられますが、1つは無洗米について国の基準がないことが挙げられます。定められた品質基準がなく、メーカーの判断で決められるため、商品によって品質の差が生まれてしまうのです。
市販の無洗米には肌ヌカが取り切れていなかったり、製造工程のなかでご飯の味の決め手となる米表層部を傷つけてしまう無洗米もあるので、こういった無洗米を食べた方の中で「無洗米=おいしくない」というイメージが定着してしまっているのではないかと思います。最初に食べた無洗米がおいしくなければ、また食べたいとはならないでしょうから。
「無洗米は水を吸いにくい」って本当?
――「無洗米は水を吸いにくい」といった声がありますが、これはなぜでしょうか? はい。2つ理由があって、1つは先ほどお話ししたような、肌ヌカが取り切れていない無洗米が存在するためです。肌ヌカが残っていると、米が水を吸収しにくくなってしまうんです。 もう1つは、精白米と無洗米の作業工程の違いにあります。普通の精白米は水で研ぎ洗いをしますよね。この工程の中で、精白米はある程度水を吸っているんです。無洗米は研ぎ洗いをする必要がないため、ここで水を吸収する量に差が生まれてしまいます。 また、精白米を研ぎ洗いすると、肌ヌカが取り除けると同時に割れた細かいお米も流れていきます。だいたい、お米の重量の5%程度が流れ出ていくのです。そのため、お米に対して同じだけの水の量を入れたとしても、精白米に比べて無洗米の方はお米の粒数が多い分、水が少し足りないということになってしまいます。「無洗米は水を吸収しにくく、炊きあがりがボソボソする」といわれてしまうのは、これらの理由があるからなんです。 ――無洗米を上手に炊くためのコツがあれば教えてください。 まずは炊く前にお米を水に浸しておくことがポイントです。 夏場は最低でも30分、冬場は水温が低くお米が水を吸収しにくくなってしまうので、1時間程度浸しておきましょう。 水加減は精白米よりも気持ち多めにして、ちょっと柔らかいなと思ったら少しずつ水を減らしていくのが上手な炊き方です。