世界で1億2000万人超え 広まる企業の“難民人材”活用【WBS】
ウェルジーは19日、難民人材と企業を集めたイベントを開きました。これまで40社に難民人材を紹介してきましたが、最近は大企業にも紹介しています。 「多様な人材が常に一緒に働く環境ができている。(難民の雇用も)特別な話ではない」(難民を雇用するアクセンチュアの奈良綾子さん) 経済団体「経済同友会」で社会課題に関する委員会の副委員長を務める斎藤祐馬さん。同友会では難民を人材として受け入れるための枠組み作りをウェルジーと連携して作ることを決めています。 「人手不足で採用が難しくなっていることもあり、幅広く優秀な人材を採用しようという中で、難民の採用にも興味が湧いているところはある」(経済同友会に所属するデロイトトーマツベンチャーサポートの斎藤祐馬社長) 徐々に広がる難民の受け入れが、日本にとっても前向きな変化となる可能性があるのでしょうか? 「企業にとっても変容に繋がったり、新しいビジネス展開に繋がったり、難民の若者たちの活躍は日本社会にとっても、日本が世界に目を向けていくきっかけにはなる」(ウェルジーの渡部カンコロンゴ清花代表理事)
日本が加盟している難民条約の33条にはこうあります。 「締約国は、難民を、その生命または自由が脅威にさらされるおそれのある領域の国境へ追放しまたは送信してはならない」 つまり日本は難民を保護し、受け入れる条約上の義務があります。しかし、日本政府がどのぐらいの人を難民として認定しているかを見てみると、去年は303人。認定率も3.8%と欧米に比べ極めて低い水準となっています。 この背景には、認定制度の悪用防止などを理由に、迫害から逃れてくる難民にも証拠書類の提出を求めるなど認定のハードルが高いといった指摘があります。 取材したUNHCRの伊藤さんに聞きますと「地理的な環境などが異なる以上、日本と欧米、どちらが良い悪いという議論はあまり建設的ではない」とした上で、日本については「条約上の難民の定義をもう少し広く理解して運用してもらいたい」と、認定基準の緩和と受け入れの拡大を求めていました。 ※ワールドビジネスサテライト