世界で1億2000万人超え 広まる企業の“難民人材”活用【WBS】
東京都内に20日開業した難民支援の施設。こちらにもファーストリテイリングが関わっています。柳井正会長兼社長の寄付で設立された「難民教育相談センター」では、教育に関する相談に加え、日本語などの学習の場も提供。運営を担うのは40年以上難民の支援を続けている団体「社会福祉法人さぽうと21」です。 「(全体の)半分以上は教育にまつわる相談が寄せられてきている」(さぽうと21の髙橋敬子理事長) およそ30年前、軍事政権の脅威を感じ、ミャンマーから日本に来た難民のチンカイさん。現在、相談したい内容は「大学となると私も日本の教育がよく分かっていない。親としてどんなサポートをしないといけないのか」と大学生になった子供の就職などについての心配事です。 「相談できるところをあんまり知らない。学校の先生たちも忙しいので」(チンカイさん) 様々な相談に対し、この施設では複数の言語の資料を準備して対応します。 難民支援に民間企業が関わる重要性について、ファーストリテイリングの難民支援事業の責任者である柳井康治取締役は「進出する国や地域で何か貢献をしてくれるのかと問われることが多い。大きな課題の一つである『難民問題』に対して取り組みをしているのは強いメッセージにもなる」と話します。
難民と企業をマッチング
難民支援の動きはグローバル企業以外でも徐々に広がっています。ロボットを連れて商店街を歩いていたのは、アフガニスタン出身のレザイ・ラハマトラさん(33)。遠隔操作のソフトウェア開発を手がけるスタートアップ「アダワープジャパン」で働いています。 しかし以前は「タリバンから迫害を受けて日本に来た。安全な場所を見つけたかった」(レザイ・ラハマトラさん)と、母国アフガニスタンで激しい差別などを受けたといいます。 国を逃れ、2017年にたどり着いたのは、それまで何の関わりもなかった日本でした。その直後、日本の会社で働くようになった理由は? 「『プログラミングを勉強したい骨のある人いないか』と言っていたら、(ラハマトラさんを)紹介してもらった。ウェルジーのサポートがあったおかげというのはある」(アダワープジャパンの安谷屋樹CEO) ラハマトラさんを紹介したのは、難民人材と企業をマッチングする事業を手がけるNPO法人「ウェルジー」という団体です。2019年には難民認定も得たラハマトラさん。今では子供にも恵まれています。 「(スマホの中は)もう全部赤ちゃんの写真。仕事を頑張らないとダメです」(ラハマトラさん)