古性、眞杉らを最後方からねじ伏せた犬伏湧也 帝王・山田裕仁氏「これほどの“直線一気”はめったに見られない」/京王閣競輪G3・決勝回顧
決勝はコマ切れ戦 関東は2車ずつに分かれ、犬伏は単騎
決勝戦は、ラインが4つに単騎が1名のコマ切れ戦に。北日本勢は、先頭を任されたのが新山選手で、その番手を新田選手が回ります。新田選手が1番車を貰えたので、やはりここは、得意とする前受けからの突っ張り先行でしょうか。近畿勢は初日特選と同じく、前が古性選手で後ろが南修二選手(88期=大阪・43歳)という並びですね。古性選手の立ち回りの巧さは、混戦模様のコマ切れ戦だとなおさら魅力的です。 4名が勝ち上がった関東勢は、結束せずに別線での勝負を選択。眞杉匠選手(113期=栃木・25歳)が先頭のラインは、ここ京王閣がホームバンクである鈴木竜士選手(107期=東京・30歳)が番手を回ります。そしてもうひとつが、小林泰正選手(113期=群馬・30歳)が先頭のライン。こちらは、同県である木暮安由選手(92期=群馬・39歳)とのコンビとなりました。 そして、単騎で勝負するのが犬伏選手。コマ切れ戦となったのは犬伏選手にとっては追い風で、あとはどの位置からどう立ち回るか次第。展開次第で、チャンスは十分にあるでしょうね。初日特選組が6名と、その再戦ムードもある決勝戦。どのラインの先頭も機動力は十分ですが、あいにくの雨模様となり、濡れた路面でのレースとなるのがちょっと気がかりです。それでは、決勝戦の回顧に入りましょう。
近畿勢が前受け 赤板前から眞杉が新山にフタ
レース開始を告げる号砲が鳴り、まず飛び出したのが3番車の古性選手と4番車の小林選手。ここは内の古性選手がスタートを取って、近畿勢の前受けが決まります。古性選手が先頭に立って、小林選手が3番手につけます。新山選手は5番手からとなって、後方7番手に眞杉選手。そして最後方に単騎の犬伏選手というのが、初手の並びです。レース前の想定とは、かなり異なる並びとなりました。 後方に位置する眞杉選手が動いたのは、青板周回(残り3周)のバックから。先頭の古性選手ではなく、5番手を走る新山選手の外につけて、その動きを抑えにいきます。そのままの隊列で赤板(残り2周)を通過して、1センターを回ってバックストレッチに入ったところで動いたのが、3番手にいた小林選手。先頭の古性選手を斬ったところに、続いて眞杉選手も動き、小林選手を斬って先頭に立ちます。 ここでレースは打鐘を迎えて、一列棒状となって打鐘後の2センターを通過。そして、そのままの隊列で最終ホームに帰ってきます。5番手となった古性選手や、後方7番手に置かれた新山選手は動かないまま。犬伏選手も動かず最後方という隊列で、最終1センターを回りました。バックストレッチに入ったところで、3番手の小林選手が前を捲りにいきますが、鈴木選手がブロックして勢いを削ぎにいきます。 その直後に動いたのが、後方にいた新山選手。素晴らしいダッシュで前との差を詰めていきますが、番手を回る新田選手が連係を外して離れてしまっています。これに合わせて、中団の古性選手も最終バック手前から捲り始動。前では、逃げる眞杉選手の外から、小林選手がジリジリと差を詰めていきます。最終3コーナーでは、捲った古性選手が一気に差を詰めて、前を射程圏に。その外からは新山選手も迫ってきています。 最終2センターでは、隊列がギュッと凝縮。眞杉選手がまだ先頭で逃げ粘っていますが、外からは古性選手が前を飲み込みそうな勢いで迫り、さらにその外からは新山選手が勢いよく伸びてくるという態勢で、最終2センターを回ります。離れてしまっていた新田選手は、ここで新山選手の番手に復帰。犬伏選手は、前との差を詰めるもいまだに最後方のままで、最後の直線に向きました。