【第3回WUBS】スプリングトーナメントで連覇を果たした日本体育大、初出場のWUBSで力試し【リバイバル記事】【バスケ】
☆スプリングトーナメント 正式名称は関東大学バスケットボール選手権大会。一般社団法人関東学生バスケットボール連盟(KCBF)が毎年5月に開催しているトーナメントで、第1回大会の開催は1950年。以来今年で75回目を数える伝統の大会だ。歴代チャンピオンは19大学あり、最多優勝は日体大の22回。ほかに10回以上優勝しているのは日本大(11回)のみだ。 加盟大学ならば1部から5部まで全チーム参加することができる一発勝負。しかも各大学が新チームで臨む年度初めのビッグイベントという大会の特徴から、ときにはわかりやすい形で下克上が起きるのもこのスプリングトーナメントの面白みだ。今年の大会こそベスト8をすべて1部のチームが占めたが、昨年の大会では、2022年のオータムリーグ(第98回関東大学バスケットボールリーグ戦)で2部の7位だった関東学院大学が、1部の拓殖大と神奈川大を破ってベスト8入りする快進撃を見せ、話題となった。
☆日本体育大ライオンズとは 日本体育大は「ニッタイ」、「ニッタイダイ」といった呼称で広く日本全国に知られるスポーツの名門だ。開学の礎は、1891年(明治24年)に日高藤吉郎が東京牛込区に創立した「体育会」。戦後の1949年に新制大学としての認可を受け現在の名称となった。 在学生や卒業生に様々な競技の世界的トップアスリートがいることが、認知度の高さに一役買っているのは間違いない。しかしそれだけでなく、幼児体育から高齢者の健康維持まで、様々な場面で知見を生かして活躍する人材を輩出している。また、スポーツ科学分野における数々の研究成果などを通じて、日本の社会における存在意義も年々高まっている。 男子バスケットボール部は、全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)での優勝回数が大会史上最多の14回。スプリングトーナメントでも22回の王座獲得は史上最多だ。 名将清水義明監督(2021年逝去、享年79)が率いていた当時は「グリズリー(Glizzly)」というニックネームで親しまれた。これは指揮官の出身地(北海道)と大柄な風貌にちなんだものと言われている。現在は、2006年以来大学のシンボルマスコットとなっている「天空の月に向かって咆哮する獅子(The Triumphant Lion)」にあやかりライオンズをニックネームとしている。 昨年ロゴやチームカラーなどのブランド・アイデンティティを一新したタイミングでスプリングトーナメントを21年ぶりに制し、今年の大会で1989年から92年にかけての4連覇以来実に30年ぶりとなる連覇達成。それは奇しくも、日本のスポーツ界を新たな時代に導こうという大学とチームの決意を象徴している。
柴田健/月刊バスケットボールWEB