箱根駅伝はどうなる?!「エース区間と山は青学さんと駒澤さんが強いです」全日本大学駅伝で初優勝し3冠王手の國學院大が青学大と駒沢大を警戒する理由とは?
全日本大学駅伝が3日、名古屋市熱田神宮から三重県伊勢市伊勢神宮の8区間106.8キロコースで争われ、10年連続12回目の出場となった國學院大が8区で逆転して5時間9分56秒で大会初優勝を果たした。國學院大は出雲駅伝の優勝に続く“2冠目”。来年1月2、3日の箱根駅伝で國學院大が3冠を手にするのか、それとも他大学が逆襲するのか。今大会から見えてきた箱根駅伝の展望とは? 【画像】史上最強のSEXYクイーンら4人の“美ボディ”ラウンドガールが世界戦に登場!
國學院大が前々回の2位、前回の3位を経て悲願の「日本一」を果たした。 「國學院大らしい全員駅伝の勝利かなと思います。特定の選手が頑張ったわけではなく、ラストの粘りで次のランナーが走りやすい位置でタスキを渡せた。駅伝の鉄則だと思うんですけど、自分だけではなく、次の走者のことを考えて、力を振り絞る。8人全員が役割を果たしたからこそ総合力で勝てたと思います」 國學院大の前田康弘監督がそうレースを振り返った。 國學院大は2区終了時でトップの青学大に54秒差をつけられたが、その後はじわじわと追い上げていく。5区野中恒亨(2年)、6区山本歩夢(4年)の連続区間賞などで、6区終了時で青学大に4秒差と迫った。 7区のエース平林清澄(4年)は青学大・太田蒼生(4年)とデッドヒートを演じると、最終8区で上原琉翔(3年)が4秒差を逆転。初優勝のゴールに飛び込んだ。 「歴史を変える挑戦」をスローガンに掲げるチームは出雲に続いて連勝。史上6校目となる大学駅伝3冠に王手をかけたことになる。 6区で区間記録を塗り替えて大会MVPに選ばれた山本は、「箱根が終わるまでが『歴史を変える挑戦』なので、現状に満足することなく、箱根で優勝して、最後は笑って終わりたい」と正月決戦を見据えた。 またマラソンで学生記録を持つ主将・平林は4年連続となった7区でトップに立つことができず、区間賞も逃がして、レース後は〝悔し涙〟を流した。 「駅伝という名のレースには勝ちましたけど、自分のなかの勝負には負けたレースになりました。箱根では歴史を変える挑戦を成し遂げられるようにやっていきたい」と駅伝3冠に意欲を見せた。 では箱根駅伝も國學院大がV候補の筆頭になるのか。前田監督は冷静に分析した。 「今回はうちが勝ちまたし、箱根に向けても手応えのある内容だったと思います。出雲に続いて、つなぎ区間でアドバンテージを奪えた。そこは箱根でも強みになるんですけど、やっぱりエース区間と山区間。そこは青学さん、駒澤さんが強いですよ。往路をどう戦うのか。誰を人選して、どこに持ってくのか。そこがポイントかなと思います」 前田監督が警戒しているのは前回王者・青学大と、母校の駒大だ。 青学大は今回3位に終わったが、2区鶴川正也(4年)でトップに立つと、4区黒田朝日(3年)が区間新記録。4区終了時で2位以下に1分16秒以上の差をつけて独走した。追いつかれた後も、7区太田蒼生(4年)がラストで平林を突き放している。 「平林の走りは悪くなかったですけど、正直、太田君があそこまで食い下がってくるとは想定していませんでした。太田君のゾーンに入ったときの強さは凄かった。箱根は鶴川君を1区に置いて、黒田君と太田君がいるし、若林君もまだいるわけですから、本当に強いですよ」(前田監督) 前回の箱根駅伝は2区黒田、3区太田が連続区間賞。5区若林宏樹(4年)が区間2位(区間新)と快走している。さらに今季は鶴川が出雲1区、全日本2区で区間賞を獲得中。鶴川が1区に入ることになれば、往路は青学大の戦力が抜けている。 青学大・原晋監督も、「出雲駅伝は勝ったと思った場面が一箇所もありませんでした。でも今回は2区鶴川と4区黒田のタイミングで勝てるチャンスがあるかなと思いました。ホップ、ステップ、ジャンプではないけど、明るい兆しがありますよ。負けた悔しさを肯定的にとらえてチャレンジしていきたい」と、得意とする箱根駅伝に向けて力を込めた。
【関連記事】
- 異常事態?!「熱痙攣が起きて意識がない状態に」箱根駅伝予選会で“名門”東海大が落選する悲劇はなぜ起きたのか…熱中症で10番目の選手がゴール直前で途中棄権
- なぜ創価大の駅伝選手であるケニア人留学生に「ドーピング違反」が起きたのか…この事件は箱根駅伝での頂点を目指す学生駅伝界を揺るがす大問題に発展するのか?
- 「精神的な疲れ」と「不安」…15歳ドルーリー朱瑛里を出場辞退にまで追い詰めた”悪者”の正体…日本陸上界の宝を異常なマスコミ攻勢や一部ファンの“暴走”からどう守ればいいのか
- 16歳の“逸材ランナー”ドルーリー朱瑛里の本当の実力とは?初出場の日本選手権では1500m決勝に進むも7位に終わる
- 「何のため?」疑問の声相次ぐが…本当にパリ五輪女子マラソンで骨折欠場した前田穂南の補欠選手をレースに出さなかったことは日本の“不手際”なのか…鈴木優花は6位入賞の大健闘