勢いに乗るリアム・ローソン。次なる野望は母国ニュージーランドでのグランプリ開催「実現させるためには何だってやるよ」
2025年のレッドブル・レーシングのシートを掴んだリアム・ローソンは、まだF1が開催されたことのない母国ニュージーランドには素晴らしいサーキットがたくさんあり、いずれそこでF1が開催されることを心から願っていると語る。 【ギャラリー】アブダビ・ポストシーズンテスト/角田裕毅はレッドブルRB20をドライブ ニュージーランドは、人口約500万人という小さな国である。しかしながら、歴史的に見ても数多くの名ドライバーを輩出している。 現役でも、ニュージーランド出身のトップドライバーは多い。レッドブル昇格を決めたローソンはもちろんのこと、インディカーではスコット・マクログリンとスコット・ディクソンが大活躍。かつてスーパーGTやスーパーフォーミュラで活躍し、今はフォーミュラE参戦中のニック・キャシディ、そしてWEC(世界耐久選手権)でトヨタGR010を走らせるブレンドン・ハートレーも、ニュージーランド出身である。 ニュージーランドでは国際的なレースが行なわれておらず、国内シリーズでもトップクラスのレースはほとんど行なわれていない……にもかかわらずこれだけのトップドライバーを輩出しているのは、驚くべきことであるとも言える。 ただローソンは、ニュージーランドには世界最高のサーキットがいくつかあり、そこでF1が開催されることを願っていると語る。 ローソンはもしF1ニュージーランドGPが実現するのならば、そのためには「何でも」するつもりだ認とめた。ただ、それに向けたハードルは決して低くない。 「コースは、FIAの基準に対応する形で、少しアップグレードする必要があるだろう」 ローソンはそう語った。 「だから、そう簡単ではないと思う。でも、とても期待しているんだ。実現させるためなら、できることは何だってするよ」 ニュージーランドには、ハイランド・モータースポーツパークというサーキットがあり、ここがローソンにとっては「世界一好きなサーキット」であり、そこでのF1開催を熱望する。しかもこのサーキットのコースレコード保持者は、ローソン自身である。 ただ、コースのアップグレード以外にも、F1開催を実現させるためには様々な障壁をクリアしなければいけない。 まずはその立地である。ハイランド・モータースポーツパークは、ニュージーランド南島の中心的な都市であるクライストチャーチから車で5時間あまりかかる、非常に交通の便が悪いところにある。 加えて、F1新規開催を目指す国や都市は、山のようにある。ルワンダをはじめ、韓国やタイという話もあるし、シカゴや大阪などの都市の名も挙がる。その招致合戦を勝ち抜くのは、並大抵のことではないだろう。
Emily Selleck