築年数が古い物件って、何かデメリットはあるんですか? 家賃が安いので入居を検討していますが、少し心配です…。
築30年を過ぎた物件は不動産用語で「築古」と呼ばれていますが、避けたほうがよいのでしょうか。 築年数が古い物件のメリットとデメリットから家賃が安い理由を解説します。また、古い物件に住む際の注意点やリスク対策も紹介します。 ▼アパートの1階と2階で「家賃」はどれだけ変わる? 1階暮らしのメリット・デメリットも紹介
築年数が古い物件のメリット
築年数が古い物件は、なんといっても近隣相場に比べて家賃が低く設定されている点が魅力です。総務省による家賃の経年変化率の推計では、年間約0.8%低下していくとされています。 また、古い物件は和室があるケースも多く、広い押し入れ収納が使えるため、室内を広く使えます。最近は古い物件をリノベーションする大家さんが増加しているため、外観は古くても、室内は新築のようにきれいで設備も整った物件もあります。 さらに、古い物件は空き部屋も多いため、物件の選択肢が多い点も魅力です。予算に合わせてこだわりの条件から物件を選べる可能性があります。
築年数が古い物件のデメリット
古い物件の家賃が安くなる主な理由として、設備面で築浅物件と大きく異なるケースが多いことが挙げられます。特に水回り設備は古くて使いづらいことがあるかもしれません。 例えば、1990年代以前に建てられたアパートのお風呂は「バランス釜」が主流です。浴槽が小さく使いづらい点もありますが、お風呂にこだわりがなければ十分な設備といえるでしょう。また、洗濯機置場のスペースが「2槽式洗濯機」のサイズで作られており、全自動洗濯機が設置できないケースもあります。 さらに、築浅物件と比べると防音性や耐熱性能が低いことがあり、暮らしの快適性や光熱費にも影響する可能性があるため注意が必要です。1981年より以前のアパートは旧耐震基準の物件となるため、建物の耐震性も心配な点といえます。 ただし、耐震補強工事が施されている物件もあるため、不動産会社に確認するとよいでしょう。
築年数から選ぶ基準
築年数を目安にした物件の選び方を紹介します。セキュリティを重視するのであれば、築10年以内がおすすめです。モニター付きインターホンやオートロック、宅配ボックスは比較的新しい物件に設置されています。 耐震性を重視する方は「築20年以内」の物件がおすすめです。阪神淡路大震災を受けて、建築基準法が2000年6月に改正され、木造の耐震基準が強化されました。これにより、建築時の地盤調査が事実上義務化されています。 また、同じ年に「住宅の品質確保の促進等に関する法律」も施行され、「耐震等級」という概念が導入されました。以上の理由から、木造住宅は2000年6月以降に建てられたものを選びましょう。 なお、賃料の安さを求めるのであれば、「築20~30年以上」がおすすめです。