トップシェフたちが紡ぐ食の未来。学生から飲食店オーナーまで。みんなで考える「EAT&LEAD」イベント潜入
トップシェフたちが紡ぐ食の未来。学生から飲食店オーナーまで。みんなで考える「EAT&LEAD」イベント潜入
8月20日(火)「EAT&LEADトークサロン-食べることから学ぶ、生きる力-」Season4 第9回が開催されました。スイーツメディアufu.(ウフ。)では、本イベントに世界でも注目されるトップシェフたちが集まるということで参加。主催は三菱地所、開催場所はTOKYO TORCH 常盤橋タワーの3階にある「MY Shokudo Hall & Kitchen」。今回は「個性豊かなシェフたちの未来のありたい姿の描き方」をテーマに、イベントが開催されました。
なぜ、ここ丸の内で食育を掲げるようになったのか?
最も今回のイベントの根幹にあるのは食育丸の内・丸の内シェフズクラブの誕生です。「日本の食を元気に! ビジネス街こそ大人の食育宣言! 」という想いから生まれたこのプロジェクト。発足した2009 年以来、丸の内エリアを中心に活躍するシェフたちと共に、食に関する意識の向上、生産者・消費者・シェフをつなぐ場づくり、地域と連携したプログラムの実施など、時代に応じた「都市と食」の社会課題に、街をあげて取り組んでいます。今では、シェフたちが先頭に立ちながらワークショップやイベントを通じて食の様々な可能性や新しい発想の共有、ジャンルやポジションを超えて様々な人が出会う場ともなっています。「EAT&LEAD たべる、つながる、生きる、ちから」そんなスローガンは「私たちは食べることで生きている」ということを考えることから始まっています。きっかけはコロナ禍。世界的なパンデミックが「物事の本質的な価値」について問いかける今、改めて、生きる力・未来をクリエイションしていく力につながる「食べる」ことの価値を強く感じ、このEAT&LEADは始まったそう。それでは本イベントを覗いていきましょう。
学生も参加! トップシェフたちが話すテーマは「キャリアデザイン」
今回のトークセッションに参加したのは虎ノ門で今最も注目を浴びているレストラン「unis」エグゼクティブシェフ 薬師神 陸さん(写真左)、ナポリピッツァの世界大会で1位を獲得した経験を持つ石神井公園の「PIZZELIA GTALIA DA FILIPPO」オーナーシェフ 岩澤 正和さん(写真右)と、「アジアのベスト・ペイストリー・シェフ賞」受賞後初のトークイベント登壇となる 「FARO」シェフパティシエ 加藤 峰子さん(写真中央)のお三方がゲストに。とても豪華な顔ぶれ。イベントはパネルトークと交流会の前後半で構成し、前半のトークでは人気シェフ3名の思考・生き方を通じてキャリアデザインを考え、参加者の「リアルな相談ごと」にもシェフが答える流れに。休日の過ごし方や時間の使い方、そして普段料理やデザートを作るときのクリエイションがどうやって生まれるのか? など、それぞれのシェフが答えていきます。特に女性シェフのロールモデルとしても注目されている加藤峰子シェフは、食材とそれを取り巻く守らなければいけない文化や環境へのシェフの役割を強く説かれました。そして続いてのテーマは「働く環境」。個人ではなくベンチャー企業の立ち上げから携わる薬師神シェフ。最初は5人だったメンバーが400人近くに増えた今の環境について話されました。時代の流れもあり、アルバイトのほうが強い時代になったという言葉が印象的で、社員という言葉に束縛されない自由な働き方と、経営者側のチーム作りの難しさ、時代の流れを感じる働き方の話に思わず自分事のように聞き入ってしまいました。そんなトークが盛り上がったあとは、参加者たちとのワークショップが開催されました。参加者がそれぞれ自己紹介から始まり、今回ファシリテーターとなり登壇したシェフたちと質疑応答をする時間に。参加者は飲食経営者から、店舗の店長、ジャーナリストや学生まで。様々な背景を持つ人が今回のトークテーマで感じたことを話しながら、イベントは大盛況に終わりました。イベントの最後には、シェフたちと参加者の皆さんとの交流タイムもありました。岩澤さんが経営する「PIZZELIA GTALIA DA FILIPPO」の国産小麦100%の特製生地に、3人のシェフゆかりの具材をトッピングしたピッツァも登場。食べながら談笑し、たくさんの人とコミュニケーションをとることができました。普段話すことがない様々な人と話せる機会はとても貴重で、トップシェフたちから聞く話はどれも興味深く、一つ一つの話を記事にしたら膨大な量になりそう……そう思うほど大充実したイベント。昨今働き方における議論は、特に飲食の世界では活発に。とりわけ社員、アルバイトの垣根もどんどんなくなり、女性の働き方も見直す時代になりました。一方で原材料も高騰する中で、働き手をどうやって守っていくか。食べる人、作る人、生産する人、誰もが幸せになる未来をどう作るべきか。今後も色々な人と話し合いをしながら発信していくことの必要性を強く感じました。EAT&LEADについて
ウフ。編集部 編集長 坂井勇太朗