「累計17億本」売れた、誰もが良く知る「国民的チョコレート菓子」…じつは少しずつ「微妙な変化」を続けていた!
2024年に発売から30周年を迎えた「ブラックサンダー」は、今でこそ国民的なチョコレート菓子となりました。その裏には企業の絶え間ない努力と工夫があります。前回に続き、販売する有楽製菓株式会社マーケティング部の嶋田真亜子さんに「ブラックサンダー」の裏話をお聞きしました。 【写真】かつて売り上げ低迷で生産終了に追い込まれた国民的お菓子・ブラックサンダー 前編記事<じつはかつて「売り上げ低迷」で生産終了に追い込まれた国民的お菓子「ブラックサンダー」が「奇跡の復活」を遂げたワケ>より続く。
ブラックサンダーが絶対に妥協しない「ザクザク感」
ブラックサンダーを食べたことがあるならば、「ブラックサンダー=ザクザク感」となるのではないでしょうか。食べた瞬間のザクザクとした食感、歯応えはブラックサンダーの最大の特徴です。あの食感が楽しみという声も多く、実際有楽製菓でも「ザクザク感」には絶対に妥協しないのだそう。 ブラックサンダーには2種類のココアクッキーとプレーンビスケットの3種類が使用されています。これにチョコレートをコーティングすることでザクザク食感を生み出していますが、実はココアクッキーとプレーンビスケットでは製造方法が違っています。そのためクッキーとビスケットで食感の違いが生まれ、ブラックサンダーのザクザク感をアップさせているのです。結果、あの強烈な歯応えが生まれてきます。 とはいえずっと同じ味やザクザク感を続けているわけではなく、1~2年に1回ほどマイナーチェンジをしているとのこと。時代によって消費者のニーズは変わってきますから、甘さなどを少しだけ変化させています。劇的な変化ではないので食べている消費者はあまり気づかないことが多いのは事実。ブラックサンダーを食べる側が注目するのは、新フレーバーの方かもしれません。
新しい味はどうやって決まる?
ブラックサンダーは月に1回ほどのペースで新しい味を販売していますが、そもそもどうやって決めているのでしょうか。大切なのは、発売のタイミングや季節、消費者の心境、ブラックサンダーを食べるシーンなどです。それらをベースにして、ブラックサンダーで表現したいことを考えていきます。例えばザクザク感をより強く出したいから、それに相応しいフレーバーを検討していくというやり方です。いくつか候補が出た後で社内で検討をし、最終的に発売する味を決定をしていきます。 これまで出た案の中には、ポテトチップスとチョコの組み合わせがあったそうです。甘じょっぱい系で味は美味しいですが、発売には至りませんでした。原材料費など価格面で実現は難しかったそうです。ただ、店頭には並ばなかったもののキャンペーンの景品として作ったので、食べたことがある人はいるようです。このブラックサンダーはかなりレアなものなので、ある意味とても貴重な経験になったのではないでしょうか。
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