SNSで公立高の定員割れに歯止めを 生徒自ら魅力を中学生に発信、大阪府教育庁が検討
大阪府内の公立高校の定員割れが続出する中、府教育庁が交流サイト(SNS)を通じ、中学生らに魅力を発信する方針で検討を進めていることが10日、明らかになった。包括連携協定を結ぶ学校法人グループが運営する専門学校と協力し、在校生自ら学校のSNSを運用。今年度中にも受験意欲が湧くコンテンツを発信する。 教育庁によると、各校はホームページを起点に特色や活動などを発信するが、デジタルネーティブ世代の中学生や保護者らが多用するのは主にSNSだ。教育庁は学校側が届けたい情報や魅力が必ずしも届いていない可能性があるとみている。 SNSの活用にあたり、まずモデル校を10校程度選定。放送芸術学院専門学校(大阪市)による研修などで生徒や教職員が魅力発信のためのノウハウを学び、学校のアカウントで発信する。教育庁によると、SNSはインスタグラムやユーチューブなどを想定しているという。 府の水野逹朗教育長は同日の府議会で、中学生が日常的に使うSNSの活用方針に触れ、「専門学校と連携し、モデル事業を実施する。効率的で効果的な情報発信のあり方についても検討を進める」と述べた。西野修平府議(自民)の質問に対する答弁。 キャリア教育の充実も公立高のブランディングに欠かせない。教育庁は一部の学校向けに有償インターンシップとして、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)で外国人入場者と接し、生きた英語を学ぶ機会も提供している。 ■無償化の影響か、志願者は最小 大阪府内では受験生の公立高離れが目立つ。志願者は令和6年度の選抜入試で、現行の入試制度が始まった平成28年度以降最少となり、公立高の半数近い70校が定員割れ。主に今年度から始まった高校授業料の段階的な無償化に伴う影響とみられる。公・私立で授業料の差がない中、中学生や保護者から選ばれる学校づくりの必要性が指摘される。