「紀州のドン・ファン」殺害事件 ついに無期求刑の元妻に判決言い渡しへ「遺産目当ての殺人」か「えん罪」か…覚醒剤密売人との接触や検索履歴も『直接証拠なし』 弁護側は「薄い灰色を重ねても…」と反論
“不自然な階層上昇”めぐる追及に「2階にバスローブを取りにいこうとして…」
この階層上昇について追及された際には、被告はあいまいな供述が目立った。 (11月11日の被告人質問) 検察官「不自然ではないですか?」 被告 「多いなって思いました」 検察官「何か説明できませんか、不自然さ(の理由)を」 被告 「たとえば当日、説明したように、2階にバスローブを取りに行こうとして、1回戻って取りに行くって、そういう場合でも(階層上昇が)カウントされちゃうことがあるので。当日はバッグを2階に置いていた状況だったので。普段は1階に置いているんですけど、たまに2階に置いているので…」 検察官「だとしても他に多い日はないですが、何か理由はありますか。なかったらないでいいですが?」 被告 「ないです」
弁護側「薄い灰色を何回重ねても黒にはならない」
野﨑さんの不審死から6年半。須藤被告は「目の前にいるなら、文句は言ってやりたい」「もうちょっと死に方を考えてほしかったというか、社長(野﨑さん)があのタイミングで死んだせいで私は何年も人殺し扱い」と“恨み節”まで見せた。 無期懲役という厳しい求刑に踏み切った検察側は、多数の状況証拠の積み上げには成功したが、最後まで“被告がどのように覚醒剤を摂取させたのか”という、具体的な殺害方法の立証には至っていない。弁護側は「薄い灰色を何回重ねても黒にはならない」と最終弁論で訴えた。 注目の判決は12月12日(木)午後に、和歌山地裁で言い渡される。 (執筆:松本陸 取材担当:松本陸・大里奈々・森亮介・宮腰友理・佐藤晃優)
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