「紀州のドン・ファン」殺害事件 ついに無期求刑の元妻に判決言い渡しへ「遺産目当ての殺人」か「えん罪」か…覚醒剤密売人との接触や検索履歴も『直接証拠なし』 弁護側は「薄い灰色を重ねても…」と反論
「野﨑さんが『使い物にならん、ニセモノや』」起訴前に話さなかったのは「当時から殺人者扱い。何を言ってもダメだなって」
そして野﨑さん宅に戻った後は…。 (11月8日の被告人質問) 被告 「社長は寝ていたので、(4月8日の)夕方ぐらいに渡しました」 弁護人「野﨑さんは何と?」 被告 「『ありがとうございます』と言っていました」 弁護人「その後、野﨑さんに変化は?」 被告 「なかったです。翌日(4月9日)の夕食の時に、『あれは使い物にならん、ニセモノや』『お前にはもう頼まん』と言われました」 つまり被告は、受け取った物は結局、本物の覚醒剤ではなかったと主張している。確かに密売人2人のうち1人は、被告に渡した物は、実際は氷砂糖だったと法廷で証言しており一応は符合する。 また、被告は購入した量は1gだったと主張したが、密売人の1人は4~5g、もう1人は3gだったと証言しており、この点も供述や証言に相違がある。 検察官は被告人質問で、覚醒剤の購入を野﨑さんから依頼されたという話を、そもそも須藤被告は起訴前に供述していなかった点を追及した。 (11月11日の被告人質問) 検察官「野﨑さんから頼まれたと言わなかったのはなぜ?」 被告 「言ったらどうなるか分からないから」 検察官「というのは?」 被告 「現にいまこうして、(覚醒剤の本物ではなく結果的に)氷砂糖を買っても逮捕・起訴されているわけですから。当時から殺人者扱いでしたし、怖くて言えませんでした」 「検事の中にストーリーがあるから、何を言ってもダメだなって」
「完全犯罪」「覚醒剤 過剰摂取」「殺人罪 時効」数々の検索履歴
検察側が須藤被告を犯人視する大きな根拠の2つ目は、覚醒剤や犯罪、殺人などに関する被告の数々の検索履歴である。 (2018年) 2月28日 「完全犯罪」 3月27日 「完全犯罪」 3月31日 「老人 死亡」「老人 完全犯罪」 4月7日=被告が密売人と会った日「覚醒剤 過剰摂取」「覚醒剤 死亡」 4月13日 「殺す」「危険ドラッグの本当の怖さ」「覚醒剤 死亡」 (2019年) 3月4日 「自白剤」 4月27日「殺人罪 時効」 4月28日「殺人 自白なし」 さらに遺産相続や、お金の使い道を検討していたことをうかがわせる履歴も多数ある。 (2018年) 4月20日 「固定資産税 10億」 4月22日 「遺産相続 専門家」 5月2日 「相続税 海外口座」 5月22日 「ランボルギーニ」 5月24日=野﨑さんが死亡した当日 「税金のない国」「ドバイ 税金」 5月25日 「東京 1億円超えマンション」 5月27日 「遺産相続 どれくらいかかる」 検察側は「野﨑さんを全く意識せず、単なる興味本位で検索しただけとは到底考えられず、殺害して遺産を相続することを意識していた」と主張している。
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