有機フッ素化合物を長期吸着…大成建設、地下水浄化壁向けバリアー材の効果
大成建設は18日、汚染物質の拡散を防ぐ透過性地下水浄化壁「マルチバリア」向けに、有機フッ素化合物(PFAS)に対応したバリアー材を開発したと発表した。室内でのカラム試験でPFASに対する高い吸着性能と、長期間にわたって吸着効果を維持できることを確認した。地下水中の汚染物質に対するマルチバリアの適用範囲の拡大に向けて、2024年度内に実際の敷地で実証試験を行う予定だ。 地下水の透過性を保つ透水性母材とPFAS吸着剤を組み合わせたバリアー材をカラムに充填し、模擬マルチバリアを作製。これにPFASを含有させた実際の地下水を通水した。その結果、極めて低濃度までPFASを除去でき、バリアー材が高い浄化性能を持つことを確認。長期の拡散防止効果が期待できることも分かった。 今回開発したバリアー材を使うことで汚染地下水を揚水して処理する手間が不要となり、PFASによって汚染された地下水の拡散防止を長期間にわたりメンテナンスフリーで実現できる。コスト低減を図りながら、飲料水源の保全や敷地外への拡散も防げる。