高すぎる、空室がない! 国内出張「ホテル」問題、旅のプロに聞いた「安く泊まる」ための秘策
国内ホテルが「高すぎる」「空室が見つからない」「会社規定の上限超え」といった、出張族の悲鳴が止まらない。特に東京や大阪、福岡、札幌といった都市部で国内出張時によく使われるビジネスホテルが、週末を中心に満室または以前より高騰している。 【TOP5】満足度が高いビジネスホテルチェーンといえば その現状と主な原因とともに、出張時のホテルをできる限りリーズナブルに予約する秘策を紹介する。
◆都市部は週末「1泊2万円」も普通に!?
いまやビジネスホテルが「1泊2万円」というのは珍しいことではない。平日はまだしも、週末の東京都内などを「1泊1万円以下」で調べると、カプセルホテルやドミトリーしか出てこないこともある。 この事態に多大な影響を受けているのは、出張が多いビジネスパーソンだ。会社では通常、出張時の宿泊費を上限「1泊9000円」「1泊1万2000円」などと定めている。これらの金額内でホテルを探すことは難しいことではなかったが、現在はかなり厳しい。 とはいえカプセルホテルやドミトリーなどの簡易宿泊施設は、周りのいびきなどがうるさく熟睡しづらい。翌日以降の仕事に支障が出かねず、年齢的に厳しいという人も多いだろう。 それでも業務命令であれば、出張せざるを得ない。あの手この手で出張先のホテル予約を必死に探すほか、別の手段を取るビジネスパーソンもいる。
◆出張族の三重苦「都市部×週末×直前」
国内出張で「都市部」、しかも「週末」、さらには「直前に」出張が決まると、ホテル探しは困難を極める。直近でその一例を紹介する。 首都圏在住で日頃から出張が多いUさん(40代男性)は、福岡出張が直前に決まり、しかも日程が週末だった。会社が規定する宿泊費は1泊1万3000円まで。 仕事先は福岡市内だったが、博多や天神などのホテルは空室こそあっても軒並み1泊2万円ほど。最悪、東京からの日帰り出張も検討する中、出発前々日になんとか見つけたのが山陽新幹線が乗り入れる小倉駅前の「東横INN」だった。結局、福岡空港から博多駅経由で新幹線に乗って小倉駅へ移動して1泊し、翌朝に再び新幹線で博多へ戻った。 また別の日には、その小倉駅前も満室ばかりで、小倉駅からバスで30分超かかる北九州空港周辺しか空いていなかった。そのため博多駅から電車で片道1時間ほど移動して西鉄久留米駅に近いビジネスホテルに泊まったという。 日によってホテルの宿泊料金が異なるため、連泊を断念して別のホテルに移動する人、会社規定の超過分は自腹を切る人もいる。さらにカプセルホテルやネットカフェなどで過ごす、移動に夜行バスを使うことで宿泊費を浮かす、事務所に寝泊まりする、といった話まで聞く。 ちなみに、数あるビジネスホテルチェーンでも全国の「東横INN」は非常に人気が高い。週末になると金額を大幅に上げるビジネスホテルが多い中、それほど値上げせず、週末もシングル1泊1万円以下。狭いながら個室でバストイレ付き、朝食無料で、現在は当日16時までキャンセル料も無料だ。そのため利便性のいい立地ともなると予約は至難の業だが、都市部はホテル数が多くて直前に空室状況が動くこともあり、タイミングが良ければ予約できることもある。