「シャフトクロスは悪なのか」ザンダー・シャウフェレが語る スイング改造セルフ解説(後編)
コーチのクリス・コモとの二人三脚でスイング改造に取り組んだザンダー・シャウフェレ。新スイングの肝は、レイドオフだったトップのクラブ位置をややクロスにすることだった。一般的にクロスは「良くないポジション」とされるが、それにはどんな狙いがあるのだろうか。 【イラスト】2024年の秋から冬にかけて人気急上昇中の「ZXi7」と「241CB」
肩を縦に回すアクションが必要だった
――トップでのシャフトのポジションを変えて、極端に言えばややクロスになるように上げているとのことですが、それによってどういう効果が生まれるのでしょうか。 上げ方を変えると、それによって下ろし方も変わってきます。といっても、それぞれが“cause and effect”(原因と結果)になっているので、下ろす方は自分で何かするというより、勝手にそうなると言ったほうが正しいですね。昨シーズンまでのスイングだと、トップで肩がフラットに回っていたので、そこからクラブをオンプレーンにするには、肩を縦に回すようにしてクラブを戻すアクションが必要でした。
それをやらずに下ろしてしまうと、クラブがプレーンの下側を通ってしまうので、スナップフック(チーピン)が出やすくなるんです。今のスイングだと、トップで肩のラインがちょうどよく傾いているので、そこからは手を下ろすだけでいいし、体はただ開く方向に回すだけでいい。それでプレーン上にクラブが下りるので、すごくシンプルなんです。 ――アマチュアのクロスとはどこが違うのでしょうか。 アマチュアでトップがクロスになる人の場合は、テークバックでクラブ(ヘッド)をインサイドに引きすぎていることが多いです。クラブが上がっていく間中、ずっとプレーンの下側を通ると、トップではシャフトがクロスしやすくなります。それでも、そこからプレーン上にクラブを下ろせば問題ないんですが、アマチュアの場合は、切り返しで体を開きながら手を前に出してしまう人が多いので、カット軌道のスライスになりやすいです。その場合は、まずスイングの始動でヘッドを引く方向を見直してみるのがいいでしょう。飛球線に沿って真っすぐ引くようなイメージで上げると、ヘッドがインサイドに入りすぎなくなると思います。 ――単純にクロスが悪いというわけではなくて、そこからどう下ろすかによって良し悪しがわかれるということですね。 ええ。その通りです。